中国産アニメが「千と千尋」をはるかに超える大ヒット、その理由は?―中国メディア

人民網日本語版    2019年8月1日(木) 19時0分

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中国産アニメ映画「哪吒の魔童降臨」は、封切りからわずか数日で目を見張る成果を上げた。

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興行収入のシェアが70%を超え、のべ来場者数が1000万人に迫っている。公開5日目に興行収入10億元(約160億円)を突破し、「大ヒット」とされた「千と千尋の神隠し」をはるかに上回る勢いだ。中国産アニメ映画「哪吒の魔童降臨」は、封切りからわずか数日で目を見張る成果を上げた。新華網が伝えた。

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▽夏休みの「大型テスト」に直面、自信を高める小さな「哪吒」

映画チケット情報プラットフォームの「猫眼」と「芸恩」のデータによると、30日午前の段階で、「哪吒」の興行収入は「ライオン・キング」新作を超えたと同時に、2015年に大ヒットした「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」の約10億元(1元は約15.8円)の興行収入記録に迫っている。「哪吒」に引っぱられて、夏休みの映画市場は「風火二輪」に乗って勢いよく駆け上がるかのようで、さまざまな記録更新が期待される。

「哪吒の魔童降臨」はいたずらっ子の哪吒の成長物語で、20世紀の中国名作アニメ「大鬧天宮」と「哪吒鬧海」のキャラクターの人間関係の一部が継承されるほか、哪吒の生い立ち、特徴、性格は新たに設定され、現代の観客の好みにより近づいた。哪吒の隈取り、口癖、ちょっとした動きなどが、青少年の「ファン」を引きつけると同時に、大人たちにも映画館に足を運ばせている。昔見た哪吒を思い出すもよし、今の哪吒を通して父と子、母と子、師匠と弟子、兄弟のドラマを味わうもよしだ。国家映画事業発展特定資金管理委員会弁公室がまとめた統計によれば、「哪吒」の先週末の興行収入は7億元に迫り、28日は一日で2億8000万元以上に達したという。

15年の「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」と16年の「大魚海棠」の後、夏休みの映画市場にはこれに続く飛び抜けた国産アニメのヒット作は生まれなかった。中国映画家協会が6月に上海で発表した「2019年中国映画産業研究報告」によれば、16-18年に国産アニメ映画は「相対的低迷期」に入り、新しい試みを行う作品はいくつかあったが、「ヒーロー」ほどのヒットには恵まれなかった。

上海映画家協会の石川副主席(上海戯劇学院教授)は、「『哪吒』は夏休みの『テスト』をくぐり抜け、少し物足りない部分はあるものの、古典的作品に現代的な要素を取り入れ、国産アニメ映画に対する新たな期待を膨らませた」と述べた。

分類調査によると、新しい哪吒は中年になったママたちの心も射抜いたという。たとえばネットユーザーの「蜜莎」さんは微信(WeChat)のモーメンツに、「厳密に言って、これは大人にこそふさわしい映画。哪吒の母親の哪吒への愛情は私たち80後(1980年代生まれ)のママにしかわからない」と書き込んだ。

新しい哪吒は現代の親子関係を考えさせる点が大きな特徴だ。石氏は、「古典をリメイクし、現代人の生活体験や好みにより合うようにするのは、世界で流行しているやり方だが、そのためには2つのことが必要だ。1つは古典のファンがリメイク者を認めていること、もう1つは映画技術の進歩だ。今年の夏休み市場の『アニメブーム』が、世界のアニメ映画産業が技術のバージョンアップを迎えていることを反映していることは明らかだ」との見方を示した。

▽続篇へ期待、国産アニメの革新にはさらなるパワーが必要

「哪吒の魔童降臨」の上映後の予告編から、「哪吒2」と「姜子牙」の2作品がまもなく公開されることがわかる。映画館には、「続篇も見たい」と思わず叫ぶ子どもの声が響く。

新作「哪吒」の出品者をみると、その構成は「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」や「大魚海棠」と重なる部分があるものの、制作チームはそれぞれ異なっている。これまで多くの国産アニメシリーズの制作・発行を手がけてきた上海本来影業有限公司の責任者の王磊さんによると、「新しいヒーローから新しい哪吒まで、業界に与えた啓発として、引き続き中国の伝統的神話や民俗の共通の記憶を掘り起こし、未来の創作の可能性がより大きく広がることがわかった」という。

石氏は、「中国のアニメ映画チームは非常に努力しており、業界全体で世界一流の水準に狙いを定め、これから先、真に持続可能なアニメのシリーズやブランドを生み出すためのさらなる努力が必要だ」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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