中国で「機動戦士ガンダムNT」公開も興行収入は「散々」=中国でのヒットに必要な要素とは?―中国メディア

Record China    2019年7月17日(水) 7時20分

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16日、中国メディア・環球時報は「『日本のアニメ作品』であることは中国でヒットする決め手にはならない」と題した記事で、中国における日本のアニメ作品の上映状況について考察した。

中国メディア・環球時報は16日、「『日本のアニメ作品』であることは中国でヒットする決め手にはならない」と題した記事で、中国における日本のアニメ作品の上映状況について考察した。

機動戦士ガンダムシリーズの劇場版最新作「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」が12日から中国本土で劇場公開された。記事は、「同作はシリーズ開始から40年を経て、中国に初上陸したガンダムシリーズ作品である。しかし、莫大な『ガンダムファン』の支持とは裏腹に、中国での興行収入は15日午後4時の時点でたったの729万元(約1億1455万円)と、散々な状態となっている」と紹介。「日本のアニメ作品が活発に中国へ配給されるようになった状況ではあるが、どうやらファンの応援だけに頼って良好な興行成績を生むことは難しいようだ」と指摘した。

そして、中国での日本のアニメ作品の上映状況について、「15年に『STAND BY ME ドラえもん』が中国市場で大成功を収めたことを受け、日本の映画業界と中国の映画会社は日本のアニメ作品の配給に熱を入れ始めた。16年には中国で公開された9本の日本のアニメ作品のうち、4本の興行成績が1億元(約15億7127万円)を突破した。『君の名は。』は中国で5億7700万元(約90億6620万円)の売上を記録し、日本のアニメ作品として最高の興行収入を記録した。その後の2年間は多少下火になったものの、今年は『千と千尋の神隠し』の劇場公開を受けて、日本のアニメ作品は本数と売上ともに回復している」と説明した。

一方で、「日本のアニメ作品の配給数は増加し続けているが、映画関係者は、依然として定番作品や有名な監督の作品こそが競争力を持っていると捉えている」と指摘。映画関係者からは、「名探偵コナン、ドラえもん、ワンピース、NARUTO(ナルト)などといった知名度の高い作品は比較的安定したファン層が存在し、口コミや友人のおすすめから見に行く人もいる。しかし、そういったアニメ作品では、『筋金入りのファンは非常に楽しむことができるが、一般の人の心をなかなかつかめない』という現象がしばしば見られる」といった評価がなされているという。

記事はさらに、中国で公開される日本のアニメ作品と海外作品の違いを指摘。ある映画評論家は、「近年ではますますピクサーやディズニーなどといったハリウッドのアニメ作品が『コンテンツ』を重視するようになっている。シリーズ物の続編が増え、オリジナリティーが減ってきている。このことで中国の観客はある程度、疲弊してしまう」と評価。日本アニメの劇場版については、「観客の多くが熱狂的なファンで、ストーリーがどうであれチケットを購入する」とする一方で、「爆発的にヒットするためには、オリジナルであろうと劇場版であろうと、どのくらい(観客の)心をつかめるかが大きなポイントになる」とも指摘した。

具体的に、「『君の名は。』はファンタジー的な恋愛ストーリーに加えてその作画スタイルもヒットのカギとなったし、物語に散りばめられた日本的な美学も観客の胸を打った。宮崎監督のヒット作である『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』にしても、多くの観客が映画を通して『自分探し』をするためにわざわざ映画館に足を運んでいるということが分かる。『STAND BY ME ドラえもん』が中国で大成功を収めたのも、映画のストーリーが観客らに幼少時代を思い出させたからである」と指摘。「日本のアニメ作品では『心』こそがその最大の魅力となっており、それは同時に中国市場でハリウッドアニメと対抗するにあって最強の『切り札』でもある」と結んだ。(翻訳・編集/岩谷)

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