中国との貿易戦争は米国企業の「工場国内回帰」を促していない―米メディア

Record China    2019年7月16日(火) 9時40分

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15日、米紙USAトゥデイはこのほど、「トランプ米大統領が中国からの輸入品にかけた関税は、大統領が想定していた米製造業者の大規模な国内回帰を促していない」と報じている。資料写真。

2019年7月15日、中国のニュースサイトの参考消息網によると、米紙USAトゥデイはこのほど、「トランプ米大統領が中国からの輸入品にかけた関税は、大統領が想定していた米製造業者の大規模な国内回帰を促していない」と報じている。以下はその概要。

在中国米国商工会議所(American Chamber of Commerce in China)の調査によると、貿易戦争を理由に中国からの工場の移転を検討しているもしくはすでに移転した米国企業のうち、米国に引き上げたのはほんの一部にすぎないという。

トランプ大統領は12日、ツイッターに「企業は米国に帰ってくるだろう」「高関税をかければとっとと米国に戻ってくる」と投稿した。

ではなぜ米国企業は急いで米国に引き上げないのか。

高品質ステンレス製ウォーターボトルのブランド、クリーンカンティーンの最高経営責任者(CEO)、James Osgood氏は「資本集約的なインフラの構築、人材の育成、そしてそのような国内生産能力の導入には、おそらく5年から7年かかるだろう」としている。多くの企業が「中国には自社の生産をサポートする整備されたサプライチェーンがあるが、米国にはない」と証言している。

ピーターソン研究所は報告書で「米国の雇用増加は製造業ではなくサービス業にますます集中している」と指摘している。

ボストン・コンサルティング・グループの最近の報告書によると、米国と中国の工場賃金の格差は縮小しているが、米国の製造業労働者の賃金は、労働者1人当たりの生産高よりも早いスピードで上昇している。これは、米国のコストが依然として高いことを示している。

トレーディング・エコノミクスのデータによると、低コスト製造業を代表するのは東南アジア諸国とメキシコだ。米国の工場の月平均賃金は3200ドル以上であるのに対し、ベトナムは237ドル、インドネシアは188ドル、タイは425ドル、メキシコは400ドルだ。

米国は、発展途上国の経済成長を支援するために、カンボジアやインド、インドネシア、タイなどの国々に貿易分野で優遇措置を与えている。これらの国々からの多くの製品は米国に免税で出荷できる。

米国企業の多くは、世界第2の経済大国であり、13億人の消費者を抱える最大の単一市場の中国から遠く離れるという冒険を望んでいない。

スポーツウェアメーカーのコロンビアは、最大の海外市場である中国に700以上の店舗を持つ。同社の貿易担当ディレクター、Katie Tangman氏は「現地生産を行うことで、中国国内市場で競争力を維持し続けることができる」と説明する。

ビジネスコンサルティングサービスを提供するCohen Groupの上級顧問、William Zarit氏は「論理的なのは東南アジアあるいはインドに移転することだ。そこから中国市場にサービスを提供することができる。これが、米国に事業を移転することを計画している企業が多くない理由だ」と述べている。(翻訳・編集/柳川)

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