米中貿易戦争、大阪G20舞台の両国首脳会談が次の焦点、実現すれば再び一時休戦に?

Record China    2019年6月15日(土) 10時20分

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6月末に大阪で開かれるG20首脳会議で、米中首脳会談ができるかが両国の貿易戦争の焦点になりつつある。首脳会談が実現すれば、昨年12月の会談時と同様に貿易戦争が「一時休戦」となる可能性もありそうだ。写真は大阪。

6月末に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で、米中首脳会談ができるかが両国の貿易戦争の焦点になりつつある。米国トランプ大統領は中国の習近平国家主席に会談を再三呼び掛けているが、中国側が応じるかは未定。会談が実現すれば、昨年12月の会談時と同様に貿易戦争が「一時休戦」となる可能性もありそうだ。

米中の交渉が5月に暗礁に乗り上げた後、中国国務院新聞弁公室は今月2日、約8000字の白書「中米貿易交渉に関する中国の立場」を公表。貿易戦争の原因はトランプ政権にあると非難した。

この中では「今まで貿易交渉中、米国は計3回にわたりあれこれと言いながら合意を覆した」と主張し、「中国が突然修正案を提出して局面をつぶしたという米国の非難は荒唐無稽」と反論した。さらに「協力すればお互い利益に、戦えばお互い損失になり、協力することが唯一かつ正確な選択だが、協力には原則があり、交渉にはマジノ線があるため重大な原則問題で中国は決して譲歩しない」と強調。「(米国が)交渉を望めば扉を開いておくが、戦いを望むなら最後まで戦う」と繰り返した。

これに対し、米通商代表部(USTR)と米財務省は3日、中国の白書について「過去の経緯や本質を誤って伝えており失望した」と反論する共同声明を発表した。共同声明は両国が本格協議を進める中で、中国による知的財産権侵害などの貿易慣行是正策でいったん合意した内容を「中国側が最終段階で覆した」と改めて批判。米国が5月10日に実施した年間2000億ドル(約22兆円)分の中国製品にかける追加関税率を10%から25%に引き上げる報復措置を正当化した。

米国側は2000億ドル分に加え、まだ追加関税を課していない3250億ドル(約35兆7500億円)規模の中国製品についても「近いうちに関税率が25%になる」と警告。中国に譲歩を迫っている。

こうした中、トランプ大統領は10日、米CNBCテレビとのインタビューで、大阪G20の際に米中首脳会談が実現しなければ、直ちに中国からの輸入品ほぼすべてに追加関税を拡大することになると語り、首脳会談開催を重ねて促した。中国外交部の耿爽報道官は11日、首脳会談について情報が外交部に伝えられれば公表するとして、会談の有無の確認は避けたが、「米国側が対等な協議を求めるなら、中国側の扉は開かれている」と述べた。

トランプ大統領と習主席は昨年12月、アルゼンチンのブエノスアイレスでのG20で会談。米国は翌1月以降の関税引き上げを90日以内と期限を区切って猶予し、関税合戦の応酬をひとまず回避した。

その後、米中の協議は不調に終わったが、両国とも自国や世界経済に大きな影響を与える貿易戦争のさらなる激化は避けたいのが本音ともみられる。大阪で米中首脳会談が実現し、全面的な合意は無理にしても何らかの妥協点が見いだされれば、昨年12月と同じような「一時休戦」のシナリオも想定されそうだ。(編集/日向)

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