「サムスンのロビー力がこれほどとは…」公正取引委員長の供述に韓国ネットも驚き「財閥構造の正常化を!」

Record China    2019年6月6日(木) 10時40分

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4日、韓国メディア・時事ジャーナルは、李在鎔サムスン電子副会長の贈賄などの疑惑と関連し、金商祚公正取引委員会委員長が参考人として供述を行った内容を「独自に入手した」として、詳しく伝えている。写真は朴前大統領。

韓国で朴槿恵(パク・クネ)前大統領とその親友、崔順実(チェ・スンシル)氏による、いわゆる「国政介入事件」の捜査が行われていた2017年2月。サムスングループの事実上のトップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の贈賄などの疑惑と関連し、「サムスンの狙撃手」と言われる金商祚(キム・サンジョ)公正取引委員会委員長が、捜査を担当する特別検察官チームに参考人として呼ばれ、供述をした。韓国メディア・時事ジャーナルは今月4日、その供述を内容を「独自に入手した」として、詳しく伝えている。

記事によると、金委員長は当時サムスングループの経営を統括していた「未来戦略室」(現在は解体)について、「過去になら通用した旧態依然の組織」「ロビー活動やカネの力で望むことを達成する、裏に隠れた組織」などと評したという。また、李健煕(イ・ゴンヒ)会長から李副会長への経営権継承は、未来戦略室により「どんぶり勘定的」に行われたと指摘。その理由の1つとして「李健煕会長が持つ、息子である李在鎔副会長の経営能力に対する不信感」を挙げ、「李在鎔副会長が熱心に進めた事業が失敗したことで、李健煕会長は李在鎔副会長を信頼しなくなり、当時は事実上サムスングループ経営権の継承は実現されていなかった」と説明したという。

また、サムスン物産と第一毛織の合併当時、李在鎔副会長は「自分の経営権継承問題とは全く関係ない」と主張していた(李在鎔副会長は第一毛織の大株主。サムスン電子株を多く保有するサムスン物産と合併することで、サムスン電子への影響力を確保したい狙いがあったとされる)。しかし、金委員長は「李在鎔副会長の継承作業の一環だったと、100%確信している」と述べるなど、正反対の供述をしたという。

さらに「サムスンがなぜそこまで、(朴槿恵)大統領と政府にロビーを行ったのか」という検察官の質問には、「李健煕会長がいつ死ぬかも分からない状況で、親サムスンの立場を示している朴槿恵政権下で、確実に継承作業を終えるため、無理に進行したのだと考えている」と答えた。2015年7月、サムスン物産と第一毛織の株主総会以後、金鍾重(キム・ジョンジュン)未来戦略室社長に会った席で「無理に進めましたね」と声を掛けると、金社長が「無理なのではなく、無知なんです」と答えたこともあった、とも話したという。

金委員長は当時この合併に便宜を図った疑惑が浮上していた公取委についても、「状況がここまで深刻だとは夢にも思わなかった」「サムスン共和国という批判を受けるに十分な事案だ」などと批判した。また最後には「サムスンのロビー力がこれほどとは思わなかった。これを機にしっかり断罪することが、李在鎔副会長やサムスングループ全体のためになるのでは」と述べたという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「つまり、大韓民国の上にサムスンが存在していたということか!」「それは腐敗した権力に気付かない愚かな有権者のせいではないのか」「さらにその上には崔順実が存在したわけだ」「金委員長の言うとおり、サムスンはきちんと罪を償うべきだ。でなければサムスンも副会長も生まれ変われない。国民が憎むサムスンではなく、国民が愛するサムスンになるべき」「サムスンは李在鎔のものではない。サムスンという巨大グループは、透明になるべきだ」「この国だから可能であるおかしな財閥構造は、いつになったら正常化されるのか」「サムスンが滅びるべきだとは思わないが、公正なゲームのルールは厳守されなければいけないと思う」「健煕と在鎔がいなくても、サムスンは通常運転できる。不正、違法行為に関与した連中は大掃除すべきだ」など、サムスンへの厳しいコメントが殺到している。(翻訳・編集/麻江)

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