街角に設置された「善意の棚」、無料貸出品のおもちゃやセグウェイを返却する人はどれだけいた?―中国

Record China    2019年6月5日(水) 20時30分

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ここ数日、中国の新京報や梨視頻といったメディアは、鄭州や上海に設置された「善意の棚」の利用状況をモニターした結果を報じた。

中国の新京報や梨視頻といったメディアはここ数日、鄭州上海に設置された玩具やゲーム、セグウェイといったアイテムを信頼に基づき無料で貸し出す「善意の棚」の利用状況をモニターした結果を報じた。

中国メディア・新京報が動画付きで報じたところによると、6月1日の国際こどもの日を前に、河南省鄭州市のある幼稚園の門の外に無人の玩具貸出棚が設置された。子どもを幼稚園へ送り届けに来た保護者らが音声に沿って添えられたノートに名前や電話番号を記せば、園児らは貸出品の玩具で午後6時まで遊ぶことができる。

同メディアによると、幼稚園が終わる時間になると、園児らは玩具を元通りの状態に戻した。中には自分の所持品のぬいぐるみを「他の子も遊べるように」と自ら進んで棚に差し出す女の子までいたという。

その日「善意の棚」に添えられたノートには、保護者らからの「子どもはすごく楽しんでました。良いアイデアです!」「わが子はまだ幼いと見くびっていました。けど今日でうちの子は素晴らしいってことが分かりました!」「信頼は連鎖するんですね」などといったコメントが残され、返却率は100%だった。この「善意の棚」は引き続き幼稚園前に設置され続けることが決まったという。

また、上海では中国の動画メディア・梨視頻(Pear Video)が観光スポット・思南公館付近に無人の「善意の棚」を設置し、人々の信頼関係を測る社会実験を実施。名前と電話番号を登録するだけで、棚に置かれた小物などを制限時間内なら自由に使えるようにした。動画では貸出品のシャボン玉やゲーム機で遊ぶ家族連れや、中国風の傘や衣類を手に取って自撮りをする老若男女の様子が映し出された。

中には、黒いマスクと帽子を着けた男性が、名前や電話番号を登録することなく貸出品の中で最も高価なセグウェイに乗って走り去ってしまう一幕があったが、男性は制限時間が過ぎた後に戻ってきて、セグウェイを返却するついでに地面に散らかった貸出品を棚へと片付けた。このほかにも、雑に戻された貸出品を一つ一つきれいに置きなおす女性もいたという。上海での実験の結果、貸し出された24個のアイテムのうち、3個の返却が制限時間を過ぎ、1個が紛失したのを除き、全てのアイテムが時間通りに返却された。同メディアは動画に、「少しの信頼関係が美しさを生む」というコメントを添えた。

こういったモニター結果を見た中国のネットユーザーは、「これで、中国人のマナーも悪くないって言えるんじゃないかな」「世界はまだ捨てたもんじゃないって思えた」などと反応した。特に、鄭州の幼稚園前に置かれた玩具の棚に関しては、「小さい頃からの習慣が人格を形作る。子どもには大人が責任をもって道徳教育をしてあげなければ」「大人も子どもたちの純粋さや善良さには見習うべきところがある」などといった意見が出た。

一方で、「中国のシェア自転車は、無料で利用された揚げ句放置されたり、破壊されたりしたけどね」「大人でも、金銭を借りても返さない人がいるっていうのに」「子どもは大人が叱ってくれるけれど、大人は誰にも注意されないからマナーを守れなくなるんだろう」などと指摘する声が上がったほか、「繁華街や、富裕層が多いところではマナーも良いのだろう」「田舎で実施すれば結果はどうなるかな?」などと案じる声も見られた。(翻訳・編集/岩谷)

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