選択迫られる韓国、ファーウェイ排除の次はインド太平洋戦略、「米中間の戦略的曖昧性が限界に」と韓国紙

Record China    2019年6月2日(日) 14時20分

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中国の通信機器最大手、ファーウェイ排除に続き、米国が韓国に「インド太平洋戦略」への参加を提案した。中国の反発は必至で、韓国紙は「韓国は選択を迫られている」「米中間の戦略的曖昧性が限界に」と憂慮している。写真はファーウェイ。

中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)排除に続き、米国が韓国に「インド太平洋戦略」への参加を提案した。参加すれば中国の反発は必至。韓国紙は「韓国は選択を迫られている」として、「米中間で駆使してきた戦略的曖昧性が限界を迎えている」と憂色を深めている。

中央日報によると、米国側は5月9日、ソウルで開かれた第11次日米韓防衛実務者協議(DTT)で韓国にインド太平洋戦略への参加を求めた。消息筋は「当時、会議の途中で北朝鮮が短距離ミサイルを発射したが、米国側の発言からは『北朝鮮(NORTH KOREA)』より『インド太平洋(INDO-PACIFIC)』という単語のほうが多く聞こえた」「日本側は米国の立場に肩入れした」と話した。

中国は、インド太平洋戦略を、日本、米国、インドなどが安保・経済で連携するという大きな枠組みの構想で対中国封鎖戦略と見なし反発している。日米印3国は6月末に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会談に合わせ、安倍晋三首相、トランプ大統領、モディ首相が会談し、構想の具体化を進める方針だ。

同紙は「ファーウェイ排除に参加するよう迫る米国側の要求に続き、インド太平洋戦略の登場はこれまで韓国が米中間で駆使してきた戦略的曖昧性が限界を迎えていることを示している」と指摘。「米中の衝突がつくり出す『トゥキディデスの罠(わな)』に韓国が陥ってしまった格好だ。トゥキディデスの罠は二等国が一等国を追撃して台頭する時、両者の間で武力衝突が起きる傾向を称する用語だ」と説明した。

その上で翰林国際学大学院のキム・テホ教授の「今まで韓国は『安保は米国、経済は中国』に分けて米中間で戦略的曖昧性を維持してきたが、米中覇権競争が本格化し韓国は事案ごとに戦略的決断を迫られている」との見方を紹介。「中華民族の復興という習近平国家主席の『中国夢』と衰弱した米国の再建というトランプ大統領の『米国を再び偉大に』は、韓半島(朝鮮半島)では安保・経済・北朝鮮の三つの戦線で対決構図として現れている」と述べ、「米中はこれらイシューをめぐり、韓国にどちら側に立つかを迫っている」と危機感を募らせた。

インド太平洋戦略について、峨山政策研究院米国研究センター長のジェームズ・キム氏は「米国は東南アジア諸国連合(ASEAN)や北大西洋条約機構(NATO)のような制度化として推進していくだろう」と予測。韓東大学地域学科のパク・ウォンゴン教授は「『航行の自由作戦』に躊躇(ちゅうちょ)する韓国に対して、米国は別の方法で貢献するよう求めながら防衛費分担金を引き上げる可能性がある」ともみている。(編集/日向)

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