心臓の拍動で発電?中国が新しい研究に成功―中国メディア

環球網    2019年5月28日(火) 5時50分

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学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」はこのほど、中国科学院北京エネルギー・システム研究所研究員の李舟氏、外国籍院士の王中林氏とそのスタッフらが共同で研究開発した埋め込み式、セルフ駆動型の心臓ペースメーカーを紹介した。資料写真。

国際的学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」はこのほど、中国科学院北京エネルギー・システム研究所研究員の李舟氏、外国籍院士の王中林氏とそのスタッフらが共同で研究開発した埋め込み式、セルフ駆動型の心臓ペースメーカーを紹介した。同ペースメーカーは、電池が必要ではなく、心臓の拍動からエネルギーを収集できるという。中国経済網が伝えた。

心臓ペースメーカーを含む数多くの植え込み式の医療電子機器は電池からエネルギーを取得するため、重くて堅く、連続使用には限界があるという厄介な問題に直面している。このため、植え込み式電子機器の使用時間を延ばすと同時に、軽量化、小型化することは、科学者らの研究課題となっている。

2009年から李舟氏らは臓器や筋肉の拍動から生体力学的なエネルギーを集めることを試み始めた。2012年に、それまでの研究に基づき、王中林氏は率先して「摩擦ナノ発電機」の概念を提出。摩擦電気と静電誘導の結合に基づいて小さな機械的エネルギーを電気に変換する仕組みだ。また、2014年に、李舟氏とそのチームは生物体内でエネルギーを収集できる植え込み式の摩擦ナノ発電機を新たにデザインして開発した。それをマウスに移植し、マウスの呼吸運動によって発生したエネルギーを収集。それらは電気エネルギーに変換して保存され、ペースメーカー原型機の駆動が最後に実現された。

現在、李舟氏と王中林氏らは共生型心臓ペースメーカー(SPM)と呼ばれる新世代のセルフ駆動ペースメーカーの研究開発に成功した。SPMは心臓の拍動周期で収集したエネルギーが人類の心臓を拍動させるに必要なエネルギーを上回るのだ。

しかし、植え込み型機器のバイオセーフティーは依然として長期にわたる厳密な研究検証を必要とする。李舟氏によると、これから植え込み型機器の小型化と長期的なバイオセーフティーに焦点を当て、5年から10年以内に臨床実験を展開する見通しだとされている。(提供/環球網・編集/黄テイ)

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