「日本国籍はもう要らない」=在日中国人の心に変化―中国メディア

Record China    2019年5月16日(木) 7時20分

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15日、中国メディア・環球時報は、「日本国籍を取得したいと願う中国人の数は、年々減ってきている」と報じ、独自に行なった在日中国人へのインタビューの内容を伝えた。資料写真。

中国メディア・環球時報は15日、「日本国籍を取得したいと願う中国人の数は、年々減ってきている」と報じ、独自に行なった在日中国人へのインタビューの内容を伝えた。

5月は日本に住む外国人が入国管理局に出向き、ビザの更新をする月であることを受け、記事は「今年もまた多くの中国人が『日本国籍を取得すべきか否か』という問題に直面し始めた」と紹介。「日本で引き続き仕事をして暮らしていきたいなら、1度煩わしい国籍取得手続きをしてしまえば今後はそれで済む話だ。しかし実際のところ、多くの在日中国人が苦労をいとわず入国管理局に出向くか、日本国籍よりもさらに取得難易度の高い永住権を獲得しようと努力している」と伝えた。

そして、その原因を解明するために、数人の在日中国人に対し独自に行ったインタビューの内容を紹介。1980年代の中国を席巻した「出国熱」に乗じて、新婚のころに湖南省の故郷から日本へやってきた劉(リウ)さんは、来日以来、日中間の酒類貿易を生業としてきた。今では家も車もあり、娘も2人いる。毎回奥さんと2人で入国管理局に行くと、職員からは「あなたは犯罪歴もなく、税もきちんと納めているので、日本国籍を申請すれば通る可能性は高いですよ」と言われるそうだが、劉さんらはあえて申請しないのだという。

劉さんの妻はインタビューに対し、「私たちも日本の生活に完全に慣れたというわけじゃない。毎年春節の時期は航空券を買って中国に帰るのだけど、旦那は毎回、子どもみたいに大はしゃぎするのよ。私も飛行機が着陸するとすぐに『ただいま!』とSNSのタイムラインに載せるの。年を取れば取るほど、根の生えた場所に戻るべきだと感じるようになったわ」と話した。

日本に来て23年になる上海出身の周(ジョウ)さんは、「確かに日本国籍を取得すれば、これまで蓄積してきた財産を守るのに役立つ。それでも私が国籍でなく永住権を取得することにしたのは、感情の面で問題があるからです。日本人はたとえ相手がすでに日本国籍を取得していても、『日本人』とはみなさず『外国人』のレッテルを貼り続けます」とした。また、「今後、自分は両親の世話をしなければならないが、もし日本国籍を取得すれば、中国の親戚の目には自分が『外国人』と映るようになる」ことも懸念しており、「外国籍になった身内に対する親戚たちの視線はとても複雑なものになり、会話するときにもためらいが感じられるんです。身近にこういった例を何度も見てきました」と語ったという。

日本に26年間住み、ソフトウェア開発の会社を経営している趙(ジャオ)さんは、「ビザと会社のライセンスの更新のために頻繁に役所を訪れるのですが、本当に面倒です。以前は日本国籍を取得したいと考えたこともありましたが、中国国籍は、手放すのは簡単でも、再び手に入れることは難しい」と話した。中国マーケットは大きな可能性を秘めており、将来趙さんの会社が開発したソフトウェアは中国の都市建設に大きく関わる見込みだという。「日本国籍になれば、中国で親戚を尋ねたり、ビジネスをしたりするのは非常に厄介になる」と話した。

記事は、「趙さんのように今後の中国に期待している人は多い」と指摘。「日本は高齢化が原因で経済停滞、財政赤字に陥っている。これを日本政府は『切り札』である高税率で乗り切ろうとしていて、すでに5%から8%に値上げされた消費税は、今年10月にはさらに安倍政権によって10%まで引き上げられようとしている。年金も外国人が受給できる保証がないという状況を、日本に長く住む多くの中国人は懸念している」と説明した。

記事は最後に、東京港区の中華料理レストランで働く王(ワン)さんの「もともと、日本で老後を迎えたいと思っていたけど、いまや中国で何でも手に入るようになったし、帰国すると毎回目新しさを感じる。周りには私と同じように、日本に何十年も住みながら日本国籍を取得していない人がたくさんいるけど、それはやっぱり中国は前途洋々だと感じているからなの」という言葉を伝えた。(翻訳・編集/岩谷)

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