緊迫の度増す南シナ海、「中国が核ミサイル原潜配備」と海外メディア、米国は「航行の自由作戦」で対抗

Record China    2019年5月12日(日) 7時30分

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南シナ海で米中のせめぎ合いが緊迫の度を増している。写真は中国海軍。

2019年5月10日、南シナ海で米国と中国のせめぎ合いが緊迫の度を増している。海外メディアは「中国が米本土を射程に収める核弾頭搭載の原子力潜水艦を配備」と報道。これに対抗するかのように、米国は中国が実行支配下の置く島しょ周辺を艦艇が航行する「航行の自由作戦」を繰り返している。

ロイター通信によると、中国が核攻撃能力を備えた弾道ミサイルを搭載の原子力潜水艦を常駐させているのは、南シナ海に浮かぶ海南島の海軍基地。「衛星画像では基地には原潜や潜水艦を護衛する水上艦艇や戦闘機が見える」などと伝えた。

米国防総省によると、中国の「晋級」戦略原潜は核弾頭を装填(そうてん)したミサイルを最大12発搭載可能で、推定射程は7200キロに達する。中国は敵の先制核攻撃に核で報復する海中からの「第二撃能力」の整備と合わせ、最終的には米国やロシアのような空、海、陸における核戦力のトライアド(核の三本柱)態勢の構築を狙っているとみられている。

海南島は核兵力の増強と展開にとって重要な戦略拠点となる。中国を取り巻く水域の中で、黄海は浅過ぎるため、弾道ミサイル搭載型の大型潜水艦を隠すには適さない。東シナ海は十分な深さがあるものの、朝鮮半島、日本列島、台湾に囲まれている上、米国と日本が最新鋭の対潜水艦兵器を配備して警戒を続けている。

一方、南シナ海は広さも深さも潜水艦の隠密行動には適している、と専門家は指摘する。フィリピン東方の太平洋に核装備の潜水艦を展開すれば、米国をミサイルの射程に捉えることができる。それを狙う中国にとって海南島は軍事的な要衝であり、南シナ海の制海権は何としても手放すことはできない、とされる。

さらにロイター通信は国際戦略研究所(IISS、英ロンドン)のリポートを引用。「中国は海南島だけでなく、南沙(英語名・スプラトリー)諸島や西沙(同・パラセル)諸島で実効支配する島や礁にもレーダー・通信施設などを整備した。いずれも(中国を監視する外国の)対潜水艦作戦を支援する目的で造られたものだ」と報じた。

これに対し、米国は中国が南沙、西沙諸島で中国が建設した人工島周辺などの海域で「航行の自由作戦」を頻繁に実施。6日にも米海軍第7艦隊(横須賀)のミサイル駆逐艦「プレブル」と「チャン・フーン」の2隻が南沙諸島のジョンソン南(中国名・赤瓜)礁とガベン(南薫)礁の12カイリ(約22キロ)以内を航行した。

第7艦隊の報道官は声明で「米軍は日常的に南シナ海を含むインド太平洋地域で作戦を展開している。米国は国際法が許せばどこでも飛行、航行し、作戦を展開する。われわれは日常的で通常通りの『航行の自由作戦』を今後も続ける」と強調。中国外交部の耿爽報道官は6日の定例会見で「中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する」と猛反発した。(編集/日向)

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