【CRI時評】話し合いと対決の繰り返しが中米経済貿易摩擦の常態に?

CRI online    2019年5月9日(木) 18時45分

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 米通商代表部(USTR)は8日、中国の対米輸出商品2000億ドル分に対する関税を10日に10%から25%に引き上げると宣言した。中国側はこれに即座に反応。「貿易摩擦のヒートアップは両国および世界の人々の利益に合致しない」と指摘し、深い遺憾の意を示した上で、「米国が新たな関税措置...

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 米通商代表部(USTR)は8日、中国の対米輸出商品2000億ドル分に対する関税を10日に10%から25%に引き上げると宣言した。中国側はこれに即座に反応。「貿易摩擦のヒートアップは両国および世界の人々の利益に合致しない」と指摘し、深い遺憾の意を示した上で、「米国が新たな関税措置を実行に移した場合、中国は必要な対抗措置を取らざるを得ない」と表明した。

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 中米が第11ラウンドとなる経済貿易ハイレベル協議を迎えようとする中で、双方がこうした声明を出したことは意味深いことであり、注視に値するものだ。圧力をかけて主張を通そうという米国の意図があからさまであるのに対し、中国側の反応は素早く、態度も落ち着いていた。これは中国が早くから準備をしていたことを意味し、「話し合いをするなら、門戸は開けておくが対決をするなら、最後までお付き合いする」という一貫した原則的立場を具現化したものと言える。

 こうした状況を見た人々は「話し合いと対決の繰り返し、話し合いをしながらの対決は、中米の経済貿易摩擦における解決モデル、常態になっているのかもしれない」という点に気付くはずだ。

 事実、関税引き上げを宣言した際、米国は外部に向けて「双方には依然、歴史的合意に達するチャンスがある。そして、双方は合意後の中米首脳会談について準備を進めているところだ」との考えを示した。この矛盾するかのように見える動きの背後にあるのは、「話し合いと対決の繰り返し」という経済貿易摩擦の解決モデル、常態を通して絶えず調整と接触を続け、意見の隔たりを縮めてコンセンサスを拡大させようとする中米の努力だ。

 中国は「話し合いによって矛盾や意見の対立を解決する」との原則的立場を一貫して取ってきた。10ラウンドを数える経済貿易ハイレベル協議で中米が貿易・調達、構造性問題、実施メカニズムなどの面で多くの実質的進展を遂げたことは評価すべき成果だ。大切に扱っていく必要があるが、それと同時にさらに踏み込んだ討論を要する問題も依然、存在している。第10ラウンド経済貿易ハイレベル協議が終了した際、双方が話し合い継続に向けて第11ラウンドの開催スケジュールを確認したのはそのためだ。米国の常識的とは言えないカードの出し方は第11ラウンドの開催に大きな混乱を引き起こしたが、中国側がこれによる影響を受けることはない。計画通りの訪米、協議出席は、中国の交渉ルールに対する尊重であるだけでなく、過去16カ月の双方の合意に対する尊重でもあるのだ。

 今回の関税引き上げ宣言は、米国に焦りが生じたことを説明している。米国は「追加関税のつけは中国が支払っている」と繰り返すが、同国の議員らはこうした意見には賛同していない。一例を挙げると、共和党のジェームス・ランクフォード上院議員は「米国の輸入業者は政府にすでに160億ドル超の関税を納めている。関税を負担するのは中国の輸出業者ではなく、米国の企業だ」と発言した。

 中米の経済貿易協議がポジティブなシグナルを発するたびに、中米および世界の株式市場は活況を呈してきた。協議が行き詰った際はその逆の反応だ。つまり、中米の「握手」は全世界にメリットをもたらし、中米の交渉決裂は全世界に悪影響を与えるということなのだ。

 中国は関税引き上げという米国の圧力に直面しても、落ち着いた態度で予定通り、話し合いに臨む。これは中米両国と両国国民に対する責任であり、世界の人々の発展、利益を擁護して世界経済の回復により多くの安定性と予測可能性を提供するためでもある。

 ワシントンでの第11ラウンド中米経済貿易ハイレベル協議は目前に迫っている。中国側はこれまでと変わらず、最大の努力、最大の誠意で協議を正常な軌道に戻す考えだ。ただ、双方はそれぞれの事情を抱えて話し合いのテーブルに着く。対立のコントロール、協力の拡大には米側の歩み寄りが欠かせない。(CRI論説員 盛玉紅)

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