「西洋科学の領域」北極研究に中国が意欲、米国は疑念―中国メディア

Record China    2019年5月10日(金) 10時10分

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米ワイアード誌が7日に「中国が北極研究に積極的な姿勢を見せた」と報じたことを受け、中国・環球時報は9日、「『西洋科学の領域』である北極研究に中国が乗り出した」と報じ、中国参入に対する海外の専門家らの見解を紹介した。写真は北極科学観測隊。

米ワイアード誌が7日に「中国が北極研究に積極的な姿勢を見せた」と報じたことを受け、中国・環球時報は9日、「『西洋科学の領域』である北極研究に中国が乗り出した」と報じ、中国参入に対する海外の専門家らの見解を紹介した。

記事は「これまで北極では米国やカナダといった西洋諸国が科学研究の分野で席巻していたが、中国の北極に対する興味が増大するにつれて政治的な嵐が巻き起ころうとしている」と指摘。6日にポンペオ米国務長官が「中国は軍事的および商業的な目的の推進のために民間研究を利用している。貿易と輸送のために極地にまで一帯一路(シルクロード構想)を拡大しようとしているのもその一部だ」と批判し、「北極研究への参加は歓迎するが、綿密な監視は怠らないつもりだ」と発言したことに触れた。

記事によると、中国は2013年の段階ですでに北極評議会にオブザーバーとして参加していたが、近年は北極研究への意欲をさらに高め、18年にはアイスランドに宇宙気象を観察するための科学研究ステーションを開設。先月にはロシアとの間でも新たに北海航路の海氷状況予測や北極圏の経済発展協議を目的とした科学研究センターを設立する合意を交わした。昨年秋には1.5メートルの海氷も突破することができる、国内2隻目の砕氷船を完成させたが、一方で米国の持つ唯一の大型砕氷船は頻繁なメンテナンスが必要な状態で、24年まで利用不可能と見込まれているという。

中国の積極的な態度に対し、海外の専門家からは、「中国の指導者らは気候変動が干ばつや海面上昇、都市の浸水といった形で自国に及ぼす影響を心配し、北極の気候変動の状況を理解しようとしているのだろう」という見方や、「中国はただ世界規模の問題であるがゆえに参入する必要があると捉えているのだろう」という見方が出ているという。また、「政治的な差異は確かにあるが、科学者同士のレベルでは情報を共有して信頼を築くことができる」「中国だけが研究を深化しているわけではない。われわれも中国の研究から学んでいる」といった好意的な意見も出ていると伝えた。

記事は、「ポンペオ国務長官は会議で中国だけではなく、ロシアやカナダも批判した。しかし、同氏は気候変動には一切言及せずに『米国は現在、環境保護の分野において世界トップクラスだ』とだけ発言した。同時に、決議から『グローバル規模の地球温暖化』に関する記載を削除するよう北極評議会に迫ったものの反対され、最終的に共同宣言が出されなかった」と伝えた。(翻訳・編集/岩谷)

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