日米通商合意間近か、専門家は「中国にも影響」と警鐘鳴らす―中国メディア

Record China    2019年5月8日(水) 5時10分

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7日、中国メディア・参考消息は日米通商交渉が今月末に合意に達する可能性を受けて、中国が受ける影響を予想する文章を掲載した。写真は寧波港。

中国メディア・参考消息は7日、日米通商交渉が今月末に合意に達する可能性を受けて、中国が受ける影響を予想する文章を掲載した。筆者は中国現代国際関係研究院の顔澤洋(イエン・ザーヤン)氏。

ラリー・クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は3日、日米通商合意が5月末までにまとまるという見方を示した。4月26日、トランプ大統領はホワイトハウス安倍晋三首相と会談した際に、今月26日からの訪日前にも貿易協定を締結させる構えを見せていた。

日米通商交渉について、顔氏は「トランプ大統領は就任以来、日本の対米貿易は不公平で、改善が必要だと主張してきた」と指摘。財務省によると日本の対米貿易黒字額は65兆円にのぼり、この額は中国、メキシコに次ぐ。米国はメキシコ、韓国とそれぞれ貿易協定を結んだ後、日本との貿易交渉を加速させ、日本に農産物市場の開放や自動車にかかる関税の削減、より緩やかな投資政策などを求めてきた。

同氏は「日米間の協議は表面的には友好的に見えるが、実際のところ米国は日本からの鉄鋼、アルミ、また自動車に高い関税を課すなど、日本に対して一方的に圧力をかけ、暗に『レート操作』を行っている」とし、「日本は強硬姿勢の米国との衝突を極力避けるため、貿易は環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)で規定されている農業、自動車に限定し、金融やサービスといった脆弱な領域への干渉を防ぐ『物品貿易協定』の概念を提唱してきた。レートの問題についても財務省の管轄とし、貿易交渉との関連性を否定してきた」と説明。「前回の会談後も主要な食い違いは解消しておらず、日米間にはまだ距離がある」との見方を示した。

続いて同氏は「日米通商交渉はまだ合意に至っていないが、中国に与える潜在的な影響は無視できない」と指摘。昨年12月に米国が日本に要求した貿易交渉のための22のガイドラインの中には他国を排斥する意味合いの強い条項も含まれていたことを受け、「日米合意後は米国の影響が強まることにより日本の他国との貿易における自由度が制限され、現在進行中の日中韓FTA協議や地域包括的経済連携協定(RCEP)協議など、日中両国に関わる自由貿易交渉に影響を与える恐れがある」と指摘した。

また、同氏は「日中関係も今後、米中関係の影響をより受けやすくなるだろう」と考察。「日米貿易協定が結ばれれば日米間はより開放的になり、相互依存性は一層高まるだろう。すると日本にとって米国が独自に発展させている外交関係から抜け出すことはより困難となり、日中関係の安定度は米中関係の変動からより強く影響を受けるようになると考えられる」「また、米国は同時にEUとの自由貿易交渉も進める構えであり、最終的には米国を中心とした自由貿易圏の形成を目指している。これは将来中国の世界貿易に長期的な影響を及ぼす可能性がある」とした。(翻訳・編集/岩谷)

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