母との旅行で実感、日本人は実はとても優しい民族だった―中国人学生

日本僑報社    2019年5月5日(日) 16時0分

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中国人の間でも、日本が「おもてなしの国」だと認識する人は多い。母親と一緒に日本を訪れたという湖州師範学院の倪雲霖さんは、これまで抱いていたのとは異なる新しい「おもてなし」を感じたようだ。写真は浅草。

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東京五輪・パラリンピック招致のスピーチで滝川クリステルさんが発したことでも話題になった「おもてなし」。中国人の間でも、日本が「おもてなしの国」だと認識する人は多い。母親と一緒に日本を訪れたという湖州師範学院の倪雲霖さんは、これまで抱いていたのとは異なる新しい「おもてなし」を感じたようだ。以下は倪さんの作文。

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大学の日本語科の3年生の私は、更に日本のことを知りたいと思い、冬休みに日本へ旅行した。これをきっかけに、日本の新しい魅力をたくさん見つけた。

日本は2020年の東京五輪で世界に注目されている。この前、インターネットでニュースを見た時に、私は、ある言葉に惹かれた。2013年、東京五輪招致活動の最後のプレゼンテーションのスピーチの中で「おもてなし」という言葉があった。その後、この言葉も流行語になった。辞書で調べると、そもそも「おもてなし」とは、お客様に応対する扱い、待遇のことを指した。しかし、東京五輪のフレーズとして、「おもてなし」は単なるその意味だけではないと思った。この疑問を持ちながら、今回、母と一緒に東京に旅行した。

日本は国際的な観光地、とくに東京へ旅行する外国人は甚だ多い。今回の旅行で、日本人の「おもてなし」、あるいは親切さに感動させられた。日本の都市の交通機関はとても複雑だと思う。浅草寺から人形町へ行った時に、迷ったことがあった。浅草橋駅はなかなか見つけられなかった。その時、ひとりの人力車夫さんが私たちを手助けしてくれたのだった。その上、人力車に乗るこも要求せず、いくつかの名所を私たちに教えてくれた。私は、その車夫さんの明るさや微笑む顔は絶対に忘れられない。

また、六本木ビルの室外展望台へ行く前に、必ず荷物をロッカーに預けなければならない。しかし、そのロッカーの使い方は知らなかった。この時、隣にいたお爺さんが熱心に私たちに教えてくれた。一緒にエレベーターに乗った時、そのお爺さんが自分で撮った写真を私たちに見せてくれた。また、どこへ行けば富士山がよく見えるかと説明してくれた。印象では日本人は無愛想だと思っていたが、実はとても優しい民族だった。このような日常の場面から、日本人の「おもてなし」が強く感じられる。見知らぬ旅行者にも熱心に案内してくれる。

これは日本の新しい魅力だと私は思った。「職人精神」は日本人の「おもてなし」として、今、日本社会の常識になった。「職人精神」は(そのモノやコトを)利用する人のために、心を込めて自分の仕事に夢中になって完成させるという精神だと思う。

今回の旅行で、目にした光景は私に強い印象を残した。それは観光するために電車を利用した時のことだった。新宿への帰りに、小田急線の電車の中で、ぱりっとした制服を着た車掌さんに気づいた。発車の前にちょっと派手な手振りをしている。なぜこんな手振りをしたのか、その時はわからなかった。今にして分かったのは。これは「指差喚呼」というもので、安全確認の基本原則の一つだ。JRや江ノ電など、いずれの車掌さんもこのルールを守らなければならない。これは車掌さんたる者の職人精神だと思う。中国人の私から見ると、これは、お客様を安全に目的地まで運ぶという「おもてなし」の精神だと思う。これは簡単で難しい。これも日本の魅力だと私は感じた。

この旅行をする前は、私が知っていた日本の「おもてなし」は、お店や食堂などで、「いらっしゃいませ」というような店員さんの挨拶だけだと思った。しかし、今回の旅行をきっかけに、日本の「おもてなし」がしみじみと感じられた。挨拶だけではなく、心を込めた他の人への心遣いだ。こんなに真心を注いだ心遣いは私を感動させた。私たち中国の若者は、日本の日常のありふれた生活の中で、日本の新しい魅力を発見し、学ぶことができるのはとても大切なことだ。(編集/北田

※本文は、第十四回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国の若者が見つけた日本の新しい魅力」(段躍中編、日本僑報社、2018年)より、倪雲霖さん(湖州師範学院)の作品「『おもてなし』から見つけた日本の新しい魅力」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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中国人の日本語作文コンクール受賞作品集はコチラ
http://duan.jp/item/267.html

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