「日本人は冷たい」は昔のこと、中国の若者はうらやましがっている―中国人学生

日本僑報社    2019年4月20日(土) 12時20分

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かつての中国では、他人とあまり積極的にかかわろうとしない日本人に「冷たい」との印象を持つ人が多くいたが、最近の中国の若者の考え方には変化が見られるようだ。

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かつての中国では、他人とあまり積極的にかかわろうとしない日本人に「冷たい」との印象を持つ人が多くいたが、最近の中国の若者の考え方には変化が見られるようだ。広東海洋大学の江嘉怡さんは作文に次のようにつづっている。

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日本へ行くとまず一番に感じる日中の違いは「人と人の距離感」である。日本は礼儀正しい国だと言われていて、日本人は人に迷惑をかけるのを嫌う。だから、日本人と付き合うと距離感が感じられる。しかし、この距離感は、中国の若者が見つけた日本の新しい魅力である。

今、中国の多くの若者は内向型である。冷たい人間に見えるが、実は人に迷惑をかけたくなく、他人との距離感を保ちたいのだ。彼らは親切すぎる人間にあったら、逃げたいほど不快を感じるので、知らない人と気持ちのいい安全な距離を保ちたいと思っている。

多くの中国人はとても親切で知らない人に話しかけることが好きだ。例えば、タクシーに乗ると、運転手さんはよくお客さんに話しかける、相手に学業や仕事や生活など、いろいろなことを聞く。ある時、私はタクシーに乗って、話しかけられた。15分ぐらいの時間だったが、運転手さんは私のことを何でも聞いた。ずっと聞き続けたがるので、私はイヤホンをつけざるを得なくて、もう話をしないという気持ちを伝えた。失礼だと知っているものの、そうしないと、また話しかけられるに決まっている。

また、店の店員さんもお客さんが店に入るとすぐ話しかけてきて、好き嫌いを聞き、品物をすすめてくれる。「結構です。ちょっと見るだけです」と言っても、彼らは聞こえない様子で品物をすすめてくる。その時、私はいつも困惑する。それに、列車で隣になった乗客も同様に、行き先とふるさとなどを聞き、時間をつぶす。ふるさとへ帰った時、その時間を利用して新しく買った本を読むつもりだが、席に座ったら、すぐ隣の乗客に話しかけられた。お年寄りだったので、一言で済ませてはいけないから、終着駅まで話していた。結局は本が1ページも読めなかった。

またある時、私は道でチラシを配られたが、断って「すみません、急いでいますから」と言ったのに、彼はずっと私に纏わり付いてきた。私をスポーツジムに参加させるために、興奮しながら宣伝の言葉を次々に述べた。仕方がないので、名前と携帯番号を書かされた。このため、バスに間に合わなかった。

中国と比べると、日本では知らない人に勝手に話しかけることは少ないようだ。日本へ行った友達から聞くと、日本でタクシーに乗ると、必要なことは二つだけ。目的地を教えることと着いたらお金を支払うことだ。日本のタクシー運転手の多くは、お客さんにむやみに話しかけないそうだ。また、友達が日本の店で買い物の時気づいたのは、日本の店員さんは中国と同じように親切だが、手伝いが要らなければ、彼らは話しかけてくることはなく、こっそりそばに立っている。手伝ってもらおうと思っているなら、不思議なことに店員さんはすぐ目の前に現れて、手伝ってくるということだ。まるで人の心を読めるようだ。「国内に比べて、本当に買い物が楽だね」と感嘆していた。

日本では、店でも車の中でも、皆は自分のことに集中し、必要以上に他の人に迷惑をかけないようにする。こんな雰囲気で生きられるなら快適で気楽だろうと、中国の若者は思っている。親切はいいことだが、親切すぎるなら、余計なことになる恐れがある。運転手さんも乗客たちも長い道のりで何かをして時間をつぶしたがる。店員さんもチラシを配る人も品物が売れるように常に話しかけてくる。このような行為はすべて理解できるが、他人の断る言葉を無視して、勝手に他人の時間を使い、他人の計画を狂わすなんて、今の中国の若者にしてみれば、非常に困ることだと思っている。しかし、こんな現状は当分続くと思う。

中国の若者はこういう雰囲気に不快を感じながらも、受け止めることしかできない。だからこそ、日本の「人と人との距離感」というものがうらやましがられる。新しい魅力として、絶えず中国の若者を引き付けているのだ。(編集/北田

※本文は、第十四回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国の若者が見つけた日本の新しい魅力」(段躍中編、日本僑報社、2018年)より、江嘉怡さん(広東海洋大学)の作品「日本人の距離感」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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中国人の日本語作文コンクール受賞作品集はコチラ
http://duan.jp/item/267.html

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