【CRI時評】英国のEU離脱、あと6カ月で奇跡は起こるのか

CRI online    2019年4月15日(月) 21時10分

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 英国のEU離脱について、行き詰まりの事態が続いている。最新の情報によれば、英国議会では「ブレグジット」について2度目の国民投票を行う提案が出され、そのための議論を行う「可能性が高い」という。 国民投票の再実施を主張する人は、1回目の投票の際に英国人はいわゆる「ブレグジット」につ...

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 英国のEU離脱について、行き詰まりの事態が続いている。最新の情報によれば、英国議会では「ブレグジット」について2度目の国民投票を行う提案が出され、そのための議論を行う「可能性が高い」という。

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 国民投票の再実施を主張する人は、1回目の投票の際に英国人はいわゆる「ブレグジット」についてあまり理解しておらず、その結果を予測することはなおさらできなかった、と考えている。これまでの2年間に渡る「ブレグジット」の困難な道のりを経て、多くの人がそれまでよりも深く理解するようになったので、再投票すればより理性的に自ら選択できるとの考え方だ。

 しかし、投票を2度行えば問題が出てくる。「これは、西側諸国の人が自慢する『民主』と言えるか?」ということだ。仮に、2度目の投票の結果に同意できない人が3度目の投票を要求した場合、どのように解決すればよいのか。このことが、英国のテリーザ・メイ首相が、再投票に断固として反対している理由だ。

 EU離脱についての当初のスケジュールでは、英国は今年3月29日にEUとたもとを分かつはずだった。しかし、英国とEUが昨年11月に達成した「ブレグジット」に関する合意を英国議会下院が否決したことで、メイ政権はEU側に、離脱の期限延長を申し出ざるをえないことになった。

 EUは先週になり緊急開催した首脳会議で、英国とはEU離脱の期限と条件で妥協し、英国に離脱期限の「柔軟な延長」を許した。つまり、「ブレグジット」の期限は6カ月延長され、10月31日となった。期限の「柔軟な延長」が認められたことで、メイ政権は一息つくことができた。しかし現在のところ、メイ政権の内部の意見は統一されておらず、与党である保守党内でも対立は深刻だ。「ブレグジット」の合意が英国議会により否決されたことで、メイ首相は保守党内部のコントロール能力を完全に失ってしまった。

 メイ政権はやむなく野党に働きかけ、「ブレグジット」の行き詰まりを打開するための協力の道を模索しはじめた。労働党は、いわゆる「ソフト・ブレグジット」を支持する傾向がより強いからだ。これはつまり、単一市場や関税同盟などの方式で、EUとの比較的密接な関係を維持しようとの考えだ。しかしこの考え方は保守党内の「EU離脱強硬派」がまさに反対する方式だ。結果として、メイ政権と野党の話し合いの進みは遅々としている。

 ならば、英国は6カ月以内に「ブレグジット」を実現できるのか。予測するのは難しい。なぜなら、メイ政権と労働党の交渉に予断が許されないからだ。もしも交渉が不調ならどうなるのだろう。英国議会はすでに、合意なきEU離脱を否決している。英国はいったい、どこに向かって行くことになるのか。

 このような情勢にEUもあせっており、膨大な精力と時間を浪費させられたことに不満を抱いている。5月23日から26日にかけては欧州議会の選挙が実施される。もし英国がそれ以前にEU離脱の可否およびその方式を決めていない場合、英国は理論上、EU議会の選挙に参加せねばならないことになる。同時に、EUは2021年から27年までの予算規模などを決定せねばならない。英国では、EUは英国に将来を束縛されたくないと考えているとの報道もあった。EU委員会の一部では「不満を持つ英国のEU代表は、欧州議会がEUについての一連の重要な問題について進展を得ることを妨害するかもしれない」との懸念すら発生しているという。

 欧州理事会のトゥスク議長は、新たな「ブレグジット」のスケジュールを発表した後、「英国の友人へのメッセージ」として、「この時間を無駄にしないで欲しい」と表明した。そして、「英国の友人」からの回答は、「英国議会は11日から2週間休会する。議員らは帰省して復活祭を過ごす」だった。(CRI論説員)

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