中国、韓国悩ます大気汚染問題で協力に前向き=韓国は潘基文・前国連事務総長を交渉役に

Record China    2019年3月31日(日) 9時50分

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韓国を悩ます大気汚染問題の解決に協力する可能性について、中国が前向きな態度を示した。韓国は中国との交渉に備え、潘基文・前国連事務総長を起用した。写真は韓国ソウル。

韓国を悩ます大気汚染問題の解決に協力する可能性について、中国が前向きな態度を示した。中国外交部の耿爽報道官は「両国の環境品質を改善し、地域・世界の持続可能な発展を促進するため、努力・貢献する」と表明。韓国は中国との交渉に備え、潘基文・前国連事務総長を起用した。

ソウルなどで観測される高濃度の微小粒子状物質(PM2.5)に関して韓国内では「中国主犯説」が支配的だ。ハンギョレ新聞によると、保健環境研究院がPM2.5の濃度を時系列に分析した結果、北京と瀋陽で高濃度のPM2.5が発生した12~30時間後に、ソウルの濃度が上昇することが分かった。

中国の旧暦の小正月(元宵節)の2月19日、北京で爆竹が鳴らされてから、約20時間後のソウルの硫酸塩濃度は4.6倍、爆竹の燃焼の産物であるストロンチウムは11.1倍に急増。北京でPM2.5の濃度が231マイクログラム/立方メートルを記録した3月2日正午から30時間後のソウルのPM2.5の濃度は、72~101マイクログラム/立方メートルを観測した。このため、同研究院は中国で発生した汚染物質がソウル首都圏に影響を及ぼした可能性が高いとみている。

これに対し、中国側は国内でPM2.5の数値が改善されていることなどを理由に韓国への影響を否定してきた。こうした中、耿爽報道官は25日、「中国の大気汚染が韓国に影響を及ぼしているかについては、中国の環境保護部門と関連する権威ある専門家が専門的かつ詳細な説明を行っている」としながらも、「われわれは韓国側と共に大気関連の交流・協力の強化に取り組み、煙霧問題の解決策を模索する」などと言明。協力を強化する方針を打ち出した。

聯合ニュースによると、中国の李克強首相も27日、訪中した韓国の李洛淵首相が大気汚染問題で協力を要請したのに対し、「双方が意思疎通を強化し、経験を共有しよう」と応じたという。

大気汚染対策で韓国の文在寅大統領は21日、大統領府に潘前国連事務総長を招き、新たに設置される官民による機構の委員長就任を要請。潘氏もこれを受け入れた。文大統領は「大気汚染問題を韓国と中国が共通の問題と認識し、共に解決するための努力が必要だ」として、「そのような仕事に潘氏ほどの適任者はいない」と強調した。

潘氏は「(大気汚染問題は)誰もが懸念し心配している。PM2.5は国内外のさまざまな要因が複合的に作用しているため解決は難しく、解決するとしても長い時間がかかるだろう」と指摘。「国民の生命と健康にとって大きな脅威にもなるので、解決が難しいからといって顔を背けるのは私の信条に反する」などと述べ、全力で取り組む考えを明らかにした。(編集/日向)

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