【CRI時評】英国は「ハードブレグジット」を否定、誰が先に「まばたき」するのか

CRI online    2019年3月14日(木) 20時0分

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 英国議会は12日にテリーザ・メイ政権の修正EU離脱合意案を否決したのに続き、13日には、英国が3月29日に「合意なきEU離脱」するとの議案も否決し、EUに対して離脱日付を5月22日に延期することを求める修正案を可決した。ここに至って、外界が最も心配していた「ハードブレグジット」...

 英国議会は12日にテリーザ・メイ政権の修正EU離脱合意案を否決したのに続き、13日には、英国が3月29日に「合意なきEU離脱」するとの議案も否決し、EUに対して離脱日付を5月22日に延期することを求める修正案を可決した。ここに至って、外界が最も心配していた「ハードブレグジット」の危険性は大幅に低減した。

 いわゆる「ハードブレグジット」とは、英国がEU側との合意を成立させることのできないまま、3月29日にEUを離脱することを指す。その場合、双方のこれまでの交渉の成果はすべてご破算になり、英国にはEU離脱についての過渡期の措置なしで、EU加盟国のルールが適用されなくなる。その結果、英国とEU間の貿易は世界貿易機関(WTO)枠内のものに戻り、双方ともに関税率の上昇や貿易障壁の増加の問題に直面することになる。

 「合意ある離脱」や「離脱の延期」という二つの方式は「合意なき離脱」と比べれば、英国・EUの双方にとって最悪の選択ではない。英国で2月に発表された「合意なきEU離脱」が英国の産業と貿易にもたらす影響の評価見積もりによれば、最も直接の打撃を受けるのは食品分野だ。EUから輸入する食品の供給チェーンが影響を受け、食品価格の上昇をもたらす。それ以外にも、税関の検査増加に伴い、英国の産業界にとっては1年当たり130億ポンドの負担増になると考えられる。同時に「合意なきEU離脱」から15年後の時点で、英国の経済規模は6.3%から9%縮小するとされる。英国立経済社会研究所(NIESR)の予測によれば、「合意あるEU離脱」の場合には英国の2019年の経済成長率は1.9%で、20年は1.6%だ。もし「合意なき離脱」ならば、英国の19、20年の経済成長率はいずれもわずか0.3%になるだろう。

 英国議会は現在、「合意なきEU離脱」に明確に反対している。このことは、英国内の「脱EU派」と「EU残留派」は激烈な論争を繰り広げて互いに譲らず「ハードブレグジット」の危険性を高めてしまったが、両派とも「ハードブレグジット」がもたらす結果が「耐えがたく重い」ことは意識しており、いずれも極度の恐怖を感じたために、最後の最後になってブレーキを踏むという、理性的な選択を行ったことを示している。

 英国議会は14日には、議会がより多くの時間をかけて脱EU合意を通過させるために、EU離脱を6月30日まで延期することについての採決を行う予定だ。英国とEUの双方が延期に合意すれば、英国が3月29日にEUを離脱することはなくなる。ただし、英国の離脱問題についてのEU側の責任者であるミシェル・バルニエ首席交渉官は、交渉はすでに終わっており、EUが再び譲歩することはありえないと、強硬に表明している。

 英国のジェレミー・ハント外相は昨年8月にドイツを訪問した際、ドイツのハイコ・マース外相に、EU側の多くの人が、時間をかけて待ってさえいれば、英国は「まばたき(妥協)」すると考えており、誰に先に「まばたき(妥協)」させるかが英国のEU離脱についての駆け引きの目標になっていると述べた。EUであれ、英国内の「脱EU派」あるいは「EU残留派」であれ、相手に譲歩させる方策を練り、自らの利益を最大限にしようとしてきた。その結果、「EU離脱」の提案は繰り返して否決された。現在は各方ともに、相対的に合意を取り付けやすい方式を提案できないでいる。各方ともに、自らが欲しないことは分かっているが、欲することは言えないでいる。

 メイ首相は、英国のEU離脱という「21世紀の難題」に詠嘆して「ただ一つ確実なことは、持続する不確実性だ」と述べた。(CRI論説員 盛玉紅)

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