韓国の製造業を支える日本製ロボット、依存率の高さに懸念の声

Record China    2019年3月13日(水) 8時10分

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4日、韓国メディア・朝鮮ビズは、製造業分野の大国で世界でも最も多く産業用ロボットを使用している韓国だが、産業用ロボットの国産化率は低く、日本製に依存していると報じた。資料写真。

韓国は半導体、自動車、ディスプレー、鉄鋼、造船など「製造業分野の大国」で、世界で最も多く産業用ロボットを使用しているが、その産業用ロボットの国産化率は低く、日本製に依存していると、4日、韓国・朝鮮日報が伝えた。

国際ロボット連盟(IFR)によると、韓国は労働者1万人当たりの産業用ロボット台数が世界平均は85台だが、710台(2017年基準)と、世界で最もロボット密集度が高い。年間の産業用ロボット購入数も3万9700台で、中国(13万7900台)、日本(4万5600台)に続く3位となっている。

しかし記事によると、産業用ロボットを製作する韓国企業は現代重工業持ち株会社のみで、同社ロボット事業部門が世界の産業用ロボット市場に占めるシェアは、わずか3%。それも「大部分が内需販売」で、欧米や日本はもちろん中国でも販売できていない。また、LG電子が昨年、中小の産業用ロボットメーカー、ロボスターに出資し、ロボット事業センターを新設したが、いまだ動きはないという。

これまで韓国では、主要産業分野のほとんどが政府主導で国産化されてきたが「ロボットだけは例外だった」という。あるIT業界関係者は「約30年間、製造業大国の道を駆けてきた韓国の根っこは結局、日本製の産業用ロボットだということ」「ロボット市場は技術の壁が高く、日本依存から脱却しようとしても容易ではないのが現実だ」と話しているという。

産業用だけでなくレスキューロボット、協業ロボット、ペットロボットの分野でも、いまだ韓国企業の活躍は見られない。サムスン電子とネイバーが今年1月に米ラスベガスで開かれた「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で医療補助ロボットやロボットアームを発表したが、まだ市場参入初期の段階だという。

「最高の製品を作るには最高の産業用ロボットが必要なため、韓国企業の日本への産業用ロボット依存はさらに深刻化する可能性が高い」と、記事は指摘する。サムスン電子はスマートフォン「ギャラクシーS」シリーズの滑らかな曲面を実現するため、日本のファナックに依存しているというが、あるメーカー関係者によると「他の分野の状況も、スマートフォンと同じ」だという。

漢陽(ハニャン)大学科学技術政策学科の金昌経(キム・チャンギョン)教授は「韓国は製造業大国だが、組み立て・製造工程技術に限られている。この部分も日本の産業用ロボットが掌握するようになれば、韓国の製造業競争力は急落する」とコメントしている。記事は「産業用ロボットの日本依存は、韓国の未来製造業競争力におけるアキレスけんになりかねない」と警鐘を鳴らしている。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「国産品を愛用し、日本製品を使うのはやめようと叫ぶことが、どれだけばかげているか分かっただろ?」「カネを稼いで日本に渡しているってことか」「こんな状況だから、日本に経済制裁するぞと脅されるんだ」「どこの製造業も中核装備は日本製だよ。測定装置も日本製。技術は日本だな」「理工系を蔑視してきた結果だ」「韓国も10年先を見据えて投資しないと」「基礎的な産業分野が弱いのが韓国の現実だ。国家予算を福祉に注ぎ込むのも大切だが、産業の発展のために積極的な支援を行うことも必要だ」「みんな人工知能(AI)さえあればロボットが作れると思っているようだな。まともな金属部品の一つも国には無理な話だ」「ロボット技術を開発しても、大企業にパワハラで奪われてしまうから、最初から開発なんてしないのさ」などといったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

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