ソウルの空覆うPM2.5、「市民は毎日、対ガス攻撃訓練を受けている気分」と韓国紙、被害は済州島にも

Record China    2019年3月9日(土) 15時10分

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ソウル首都圏などで大気汚染物質PM2.5の濃度が連日上昇し、韓国紙は「毎日、対ガス攻撃訓練を受けている気分」との市民の声を伝えた。大気汚染の被害は韓国で最も空気がきれいとされる南部の済州島にも広がっている。写真はソウルの大気汚染。

ソウル首都圏などで微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が連日上昇し、韓国紙は「毎日、対ガス攻撃訓練を受けている気分」との市民の声を伝えた。事態を重視した文在寅大統領は強力な対応を指示したが、大気汚染の被害は韓国で最も空気がきれいとされる南部の済州島にも広がっている。

朝鮮日報によると、世界的な大気汚染調査機関「エアビジュアル」(AirVisual)の都市別空気質指数(AQI・PM2.5などさまざまな大気汚染の数値を評価する指数)で、5日午後5時現在の大気汚染度世界第1位はソウル市、2位は仁川市だった。国際環境団体「グリーンピース」が経済協力開発機構(OECD)加盟国の都市ごとにPM2.5の濃度を測定した結果でも、汚染度が高い上位100都市のうち韓国の都市が44都市も入り、加盟国の中で最も多かった。

こうした大気汚染のため5日午前、ソウル・光化門広場からは約2キロメートルの距離にある北岳山が見えなかった。粒子状物質に覆われたソウル市内は周囲の物を見分けることすら難しく、同日正午、ロッテワールド・タワー展望台入口にある案内板には「視界1~4キロメートルの」と書かれていた。121階の展望台に上がると、約3キロメートルの離れた蚕室総合運動場でさえ屋根の輪郭がやっと分かる程度だった。

同紙は「PM2.5が庶民の生活を一変させている。野外活動が減り、経済にも悪影響が及んでいる。会社員は昼食の約束をキャンセルし、出前を取ったり、ビル内の食堂を利用したりしている」と報道。大学生による「あまりに深刻で毎日、対ガス攻撃訓練を受けている気分だ」との声を紹介した。

緊急報告を受けた文大統領は趙明来環境相に「非常時に非常措置を取るのが政府の責務だ」として、強力な対応を指示した。大統領は特に「保育園・幼稚園には空気清浄器があるが、あまりにも容量が小さくて役に立っていないことが多い。大容量の空気清浄器を迅速に設置できるよう、財政支援を行う方策を講じよ」と命じた。

四方を海に囲まれ、韓国のリゾート地として知られる済州島でも事情は同じだ。中央日報によると、韓国の最高峰で島の中心にそびえ、どこからも目にすることができた漢拏山(標高1950メートル)の姿が5日午前には隠れてしまった。

同日午前8時現在、済州圏域のPM2.5濃度は1立方メートル当たり69マイクログラムで、「悪い」基準とされる36マイクログラムの2倍近くに達し、ソウルなどと同様に自動車の通行規制を含む粒子状物質の非常低減措置が発令された。観光客も当惑気味で「清浄地帯だと思っていた済州で粒子状物質空襲を受けるとは思わなかった。休暇気分が台無しになった」などの不満が相次いでいるという。(編集/日向)

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