高級路線の無印良品、中国で5年間のうちに10回の値下げ―中国メディア

人民網日本語版    2019年2月22日(金) 7時10分

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これまでずっと「高級路線」を貫いてきた「無印良品」は最近、「新価格宣言」と称して、体裁を保ちながらうまく値下げ戦略を展開している。

これまでずっと「高級路線」を貫いてきた「無印良品」は最近、「新価格宣言」と称して、体裁を保ちながらうまく値下げ戦略を展開している。

無印良品はこのほど、人気商品を含む商品の値下げを再び実施した。無印良品が中国において値下げを実施するのはこれで10回目となるが、無印良品の中国での販売はなかなか波に乗ることができておらず、中国市場での売り上げは鈍化してきている。ある業界関係者は、「無印良品は中国市場で何度も挫折を経験している。何度も値下げを実施しているのは、中国市場の歓心を買うためではないか」と分析している。

無印良品は他の雑貨ブランドと異なり、「高級路線」を歩んでいる。中国の一般的な雑貨ブランドで数十元(数百円)で販売されているネックピローを例にすると、無印良品では200元(約3200円)からであるにもかかわらず、その売れ行きは好調だ。

湖北省武漢市のある消費者は、「無印良品は材質も品質も安心。『グリーン経済』を売りにしており、消費者も自然と環境にやさしく、純天然素材であると、その品質に信頼を置ける」と話した。

高イメージをキープしている無印良品は中国市場に進出したばかりの頃は順調に拡大し、200店舗以上を抱えるようになった。そして、2016年には、中国での業績が過去最高を記録した。同年、無印良品は年間売上高が3075億円と絶好調になり、うち東アジア事業の売上高が830億円、中国市場はその約6割に貢献した。

ところが、17年に成長は突然頭打ちに。公開されている資料によると、17年の第2四半期(4-6月)から2018年の第2四半期までの中国市場の売上高は、第2四半期が前年同期比22.6%増、第3四半期(7-9月)が同比21.2%増、第4四半期(10-12月)が同比18.3%増、第1四半期が同比14.8%増、第2四半期が同比10.4%増となっている。

さらに、無印良品にとって打撃となったのは、業績の伸び悩みの原因が値段の高さではなく、無印良品が中国市場に進出して以降、ずっと値下げ戦略を実施してきたことにあった点だ。14年10月から現在に至るまで、無印良品は中国で「新価格宣言」と称して、値下げを10回実施してきた。つまり1年に2回は値下げしている計算になる。

当時、製造・小売業は利益率が高く、値段を下げて業績を保とうとするやり方はまだ理解はできた。しかし現在、製造業の価格はますます透明化しており、企業の利益も目減りが続いている。そんな中、値下げをすると、利益を確保するどころか、低迷という状況に拍車をかけることになりかねない。

現在の業績からすると、「新価格宣言」戦略により、無印良品の中国市場での業績は好転していない。業績を見ると、18年度の第2四半期、無印良品の中国市場の既存店ベースの売上高が2.2%減となり、17年9月1日-18年2月28日の売上高が前年同期比0.2%減の361億6800億円となった。18年度第2四半期から19年度第2四半期の中国市場の売上高は第2四半期が前年同期比22.6%増、第3四半期が同比21.2%増、第4四半期が同比18.3%増、第1四半期が同比14.8%増、第2四半期が同比10.4%増と成長が次第に鈍化している。

また、今では無印良品とよく似たスタイルにもかかわらず、価格設定は無印良品より安い雑貨ブランドが中国各地に生まれてきている。近年台頭している「名創優品」や「NOME」などを例にすると、商品の外観は無印良品と似ているものの、値段は安く、大ヒット商品の中には、無印良品の値段の4分の1の値段の商品もあり、顧客争奪戦を制している。また、「網易厳選」などのECプラットフォームもその争奪戦に加わるようになっており、雑貨ブランド市場の競争は日に日に激化している。

このように無印良品は中国市場では敗退の様相を呈している。しかし、ある日用消費財業界の関係者は「消費者層は高、中、低に分かれており、無印良品の位置付けは、名創優品などとは大きくことなる。雑貨ブランドの中で、無印良品は高級路線で、低価格競争に参戦しているというわけではない。今後も同市場は拡大すると予想され、発展の余地は十分にある」との見方を示す。

その点、業界関係者は、「品質が向上し、消費者は値段にはそれほど敏感にならなくなっている。値下げをすることで、消費者のニーズに合わせることができるとは限らない。今後は、価格と品質のバランスをどのように取るかが、長期戦を制するカギになる」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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