発展する「ペット経済」、オンラインでもオフラインでも―中国

人民網日本語版    2019年2月13日(水) 5時20分

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ネットがもたらしたペットブームは一大ブームとなり、若いネットユーザーが次々に波に乗っている。一方で、ペットに関する情報フローが巨大な商業的価値を生み出し、ペット消費がもたらす「ペット経済」が新消費時代の特徴の1つになっている。

大手SNSではペット動画が人気の高いコンテンツの1つになっている。ネットがもたらしたペットブームは一大ブームとなり、若いネットユーザーが次々に波に乗っている。一方で、ペットに関する情報フローが巨大な商業的価値を生み出し、ペット消費がもたらす「ペット経済」が新消費時代の特徴の1つになっている。人民日報海外版が伝えた。

■オンラインとオフラインで人々を引きつける

90後(1990年代生まれ)のホワイトカラーの小霏さんは普段は仕事が忙しいが、夜寝る前にはいつも30分ほど、微博(ウェイボー)や抖音(ティックトック)などのプラットフォームでペットの写真や動画を見ている。

小霏さんは、「ペットの動画を見ていると楽しくて、癒やされたような気持ちになる」と話す。ここ数年、SNSやショート動画プラットフォームにはペットを主要コンテンツとしたアカウントが多数登場し、大勢のフォロワーを集めている。ペット好きの中で多いのは小霏さんのような自分でペットを飼う余裕はないが、ネットで猫や犬に親しむ若い人々だ。

同じくペット好きの80後(1980年代生まれ)のメディア関係者・涛涛さんは、3年前から猫を3匹買っている。2018年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)には、キャットフードや猫砂などペットのための食品や雑貨をたくさん買い込み、2000元(約3万2000円)以上使った。「自分のものよりペットのものの方が多かった」という。

ネット上のペットにしても、実際に飼っているペットにしても、中国人はますますペットをかわいがるようになっている。データによると、中国のペット数は10年の9601万匹から17年の1億6800万匹に増え、ペットのいる世帯は17%に達した。また、猫好きは5000万人に達し、消費者の規模は3000万人に迫るという。

ペットはオンラインで、オフラインで、なぜこれほど多くの人を虜にするのだろうか。専門家は、「所得水準の向上がペット経済、ペット消費の急速発展の基礎固めをした。これと同時に、ますます増加する単身者と進行する高齢化が間接的にペット経済の発展を後押ししている。犬や猫などのペットを飼うことで心を癒やすのが、新たな消費習慣、生活習慣になっており、ペットは飼い主にとって付属品からパートナーへと意味合いを変えた」との見方を示す。

■1.6兆円規模の市場が生まれる

ペットブームをめぐり、一連の生産、販売、サービスを含むビジネス活動が1000億元(約1兆6000億円)を超える規模の市場を生み出した。データをみると、18年の中国ペット消費市場規模は1708億元(約2兆7300億円)で、前年比27%増加した。20年には2000億元(約3兆2000億円)に達する見込みだ。「2018年中国ペット産業白書」によると、猫・犬の飼い主が1年間にペットに使う金額は平均5016元(約8万円)に上り、毎月400元(約6400円)以上使っていることになる。

ペット消費の伸びがネットのペット産業の発展をうながした。同白書によると、犬・猫の買い主のペット消費の中心は商品消費で、ペットフード、ペットの医療サービス、ペット用品、その他の消費(トリミングやホテルサービスなど)に主に集中する。

データでは、18年の「ダブル12」(12月12日のネット通販イベント)には、ペット産業に400万件近い注文があった。ペット経済は単なる商品を棚に並べる方式の飼育モデルにとどまらず、買い主個々人の個性を反映した消費ニーズに基づくペット生態圏を生み出した。ここ数年、たくさんのペット用品が雨後の竹の子のようにECプラットフォームに登場した。オフラインのトリミングやペット衣料サービスなどの産業も急速な伸びを達成し、ペット経済は徐々にオンラインとオフラインが結びついた消費の成長源になっている。

ペット産業の見通しは良好だが、発展が直面する問題は多い。業界関係者は、「先進国に比べ、中国のペット産業はまだ発展の初期段階にあり、ペットのいる世帯の割合でも一人あたりペット飼育数でも大きな開きがある。また、川上の産業でも川下の産業でも、特に医療サービスやトリミングなどの分野では、サービスにプロとしての規範がなく、水準がまちまちで、法外な料金徴収などの問題がよくみられるので、早急に監督管理を強化し、関連の標準を設定する必要がある」と指摘する。

■産業の新モデルを開拓

ネットの急速な発展にともない、ペット経済がより多くの新たなブレークスルーをもたらし、ビジネスモデルもますます豊富になり多様化している。

ここ数年、ペットのイメージから発生した作品や意匠が次々に登場し、若い消費者の人気を集めている。ペットのスタンプや映画、漫画アニメ、書籍、ゲームなどの派生商品が持続的な伸びを示す。

ペット保険も新興のサービス産業の注目点だ。医療保険から損害賠償保険まで、ペット市場の成熟や消費者の保険への意識向上にともなって、ペット保険産業は成長の大きな潜在力を秘めている。

ペットと外食産業の結びつきもペット経済の注目点の1つだ。猫カフェ、ペットレストランなどがペットモチーフの外食業態と融合し、ここ数年は大都市の標準装備となり、若い観光客が必ず行く撮影スポットになっている。

また、ペット商品・サービスの充実が新たにさまざまなイメージを喚起し、スマートペット用品、ペット写真撮影、ペット用オリジナルブランド、ペット用家具のオーダーなどの新商品がペット経済モデルを開拓し、ペット経済がこれまでのような「お供+相互交流」モデルから、より豊富なワンストップ式でシンプルな飼育モデルへと代わりつつあることを示している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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