安倍首相の中国人向けメッセージ全文=中国側の言い方とは若干の違いも

Record China    2019年2月5日(火) 10時40分

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安倍首相が春節に際して作成した中国人向け「新年のあいさつ」のビデオメッセージが発表された。日中関係が「完全に正常な軌道」に戻ったと強調する内容で、中国メディアも好意的に扱った。ただし、安倍首相の言葉と中国政府関係者の直前の言い方には若干の差異がある。

中国で春節(旧正月)の大晦日となる4日、安倍首相が中国人向けに作成した「新年のあいさつ」のビデオメッセージが発表された。人民日報はSNSアカウントを通じて、動画と解説記事を掲載した。日中の「友好ムード」を強調した書き方だが、両国関係の現状認識については、安倍首相の動画中の言葉と、中国側関係者の直前の言い方のニュアンスには若干の差異がある。

人民日報は解説部分で、「日本の安倍首相が真心を込めて新春の祝賀」「日本の現役首相が動画により中国人民に新年のあいさつをしたのは初めて」などと紹介。さらに、同日晩には東京タワーを「中国紅(チャイナ・レッド)」に染めるライトアップの点灯式が行われ両国関係者や大勢の子どもが参加したと報じた。

なお、安倍首相はビデオメッセージで、「日中関係は完全に正常な軌道に戻り」と表現した。一方、中国の程永華中日大使は1月30日にNHKのインタビューに応じた際、2018年における両国首相の相互訪問が「中日関係を改めて正しい軌道に戻し、新たな発展を獲得することを推進した」と述べたが、「両国ともに関係改善をさらに確固たるものにすることを期待する」などと述べ、現状の両国関係は極めて良好に推移との見方を示した上で、今後については「手放しで楽観しているわけではない」との気持ちを示唆する言い方をした。

以下は、安倍首相のビデオメッセージの全文。冒頭部分は中国語で、残りの部分は日本語で語り、中国語字幕を付けた。

大家過年好(ダージア・グオニィエン ハオ=皆さん、新年おめでとう)! 安倍晋三です。

昨年は日中関係にとって重要な1年になりました。李克強総理が日本を公式訪問され、私自身も日本の総理大臣として、7年ぶりに中国を公式訪問しました。日中関係は完全に正常な軌道に戻り、習主席・李総理との間であらゆる分野の交流と協力を拡大し、日中関係を新たな段階に押し上げていくことで一致しました。

昨年は中国から、過去最多となる830万人以上の方に日本を訪れていただきました。「百聞は一見にしかず」。国民同士の直接交流は相互理解と相互信頼を深める上で、極めて重要です。本年は「日中青少年交流推進年」です。元旦より、中国の大学生等を対象とするビザ緩和を開始しました。本年はこれまで以上に青少年を初めとした国民同士の交流に力を入れていきたいと思います。

春節に際して、そして今年1年を通じて、一層多くの中国の皆さまの訪日を歓迎します。日本各地には、美しい自然や伝統文化、その土地ならではの和食、美味しいお米や日本酒など、本当に多くの魅力があります。皆さま一人ひとりがそれぞれの日本を発見されることを期待しています。

中国にも数えきれない多くの歴史・文化の名所があります。一人でも多くの日本人が中国を訪問し、相互交流が深まることを期待しています。

本年が日中関係のさらなる発展、そして皆さまにとって幸多き1年になりますよう、お祈り申し上げます。(翻訳・編集/如月隼人

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