【CRI時評】英国は「プランB」により「ソフト・ブレグジット」への道を歩みつづける

CRI online    2019年1月30日(水) 22時5分

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 英国議会下院で29日、「EU離脱」合意についての7項目からなる修正案についての審議と採決が行われた。うち、2項目は修正されたうえで可決され、残りの5項目は否決された。現在までの「EU離脱」の交渉において、EU側は一貫して、英国では国内における合意が欠落しており、自らが真に何を求...

 英国議会下院で29日、「EU離脱」合意についての7項目からなる修正案についての審議と採決が行われた。うち、2項目は修正されたうえで可決され、残りの5項目は否決された。現在までの「EU離脱」の交渉において、EU側は一貫して、英国では国内における合意が欠落しており、自らが真に何を求めているのか分かっていないと批判してきた。今回の採決で、英国の「EU離脱」の最終目標が少しずつ明らかになってきた。

 世間では「プランB」と呼ばれる修正案の中で通過した2項目のうち、一つは合意なしのEU離脱を否定するものであり、残りはブレイディ保守党議員の提出した、メイ首相とEUが締結した「EU離脱合意」中の「アイルランド国境のバックストップ措置(厳格な国境管理を避ける措置)」に関する条項を「代替規則」に変更するものだった。

 否定された条文は、主に二つの内容を含むものだった。一つは、メイ首相の「EU離脱」の方式が議会で多数の支持を得られないならば、事前に合意なしの「離脱」も十分に準備されねばならないというものだ。もう一つは、仮にメイ首相による「EU離脱」の方式が2月26日までに議会を通過できないならば、新たな法案の導入により英国の「EU離脱」を後にずらすというものだ。この7項目の修正案に対する最終採決は、英国が「EU離脱」について追求する目標を、極めて明確に示すものだ。すなわち、合意なしのEU離脱は否定するが、EU離脱を延期することも望まず、メイ首相による合意を修正した上で「ソフト・ブレグジット」を達成しようということだ。

 アイルランドとの国境という鍵となる問題において、ブレイディ議員は「代替規則」を明確には示しておらず、「EU離脱」後の英国領北アイルランドとEUメンバーであるアイルランドとの国境問題をどのような方式で解決するかを説明していない。この修正案は317票の賛成票に対して反対票が301票という状況で可決されたのではあるが、その投票結果は外界に一つの重要なシグナルを送ることになった。つまり、もし英国とEUが前回の「EU離脱」合意中のアイルランドとの国境の措置の部分で妥協をするならば、英国議会もメイ首相による「EU離脱」合意を支持するであろうということだ。

 メイ首相は採決前に、EUとの再交渉に役立てるためにブレイディ議員の修正案を支持しするよう、議員の説得に努めていた。同修正案が可決された後にメイ首相は、EUとの間で議会が支持できる合意を達成するために、最大の努力をすると表明した。

 英国のEU離脱の交渉で、EU側の副代表であるヴェヤント氏は、メイ首相がEUに対して明確で実行可能な修正案を提出し、メイ首相もEU側も同修正案が最終的に批准を得られると認識するならば、「無理やりにでも進める」余地があると発言している。

 目下のところ、英国の「EU離脱」問題の焦点は、一点に絞られている。すなわち、EUと英国が、アイルランド国境問題で新たな妥協を達成できるかどうかだ。メイ首相は、英国とEUが最終的に新たな合意を達成できると自信満々だ。メイ首相は議会での採決後、多くの議員が調整後の合意を支持することになるとして、今や新たな道が明確に存在し、その道が英国議会において「合意あるEU離脱」に対する絶対多数による支持を確保させることになると述べた。「ソフト・ブレグジット」は今や、英国にとって唯一の、そして政治的合意を最も多く集める「EU離脱」への道となった。(CRI論説員)

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