日本人の先生のアドバイスを「ばかばかしい」と聞き流した私、でも知らず知らずのうちに変化が…―中国人学生

Record China    2019年1月21日(月) 22時0分

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学生の恋愛に関して、近年では中国もだいぶ考え方が解放的になってきたが、日本と比べるとまだ保守的と言える。恋愛に消極的だった中南財経政法大学の陳群さんは、日本人教師の「恋愛のススメ」によって世界観が大きく変わったようだ。資料写真。

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学生の恋愛に関して、近年では中国もだいぶ考え方が解放的になってきたが、日本と比べるとまだ保守的と言える。恋愛に消極的だった中南財経政法大学の陳群さんは、日本人教師の「恋愛のススメ」によって世界観が大きく変わったようだ。以下は、陳さんの作文。

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私は男性に絶望していた。恋することに恐怖を感じていた。9歳の時、母の悲しい涙を拭きながら、恋や結婚の暗闇に絶対に落ちるものかと決心した。成長するにつれて、男の子への嫌悪感と偏見はますます強くなっていった。そんなコチコチに凝り固まった心を抱えて、私は大学に入った。そこでのある先生との出会いが、偏見そして人生そのものを変えるとは、まったく想像もしていなかった。

1年生の後期、中村先生が私たちの日本語会話の担当になった。先生は授業中、あまり教科書の内容にこだわらず、自分の言葉で生き方や人生について熱く語る。それは、授業以外の時間でも留まることを知らない。私は先生の言葉のおかげで、大きく変わった学生の一人だ。日本語学科では恋愛する人も少なく、多くの学生は週末になっても、寮にこもってばかりだった。先生はそんな私たちにいつも恋愛の話をする。「せっかく人生で一番美しい時期にいるんですから、今、目の前にチャンスが来た人は、逃げずにパアッとつかんじゃってください。応援していますよ」と先生は、手を伸ばしてからぐっとつかむジェスチャーで言った。

私は、最初、その言葉はただの冗談だと思って、全然気に留めていなかった。大学の先生ともあろう人が、学生の恋愛に関心があるなんて、ばかばかしいことだと思って聞き流していた。それでも先生は、皆の前で何度も恋愛の話をした。「私たち外国語学習者にとって、異文化コミュニケーションは永遠のテーマです。でも、この世で一番難しい異文化コミュニケーションは恋愛です。恋愛って、相手はもちろんのこと、普段なら自分でも気づかない自分の新しい一面がどんどん出てくるんです。もちろん、いいところばかりじゃないから、難しいんですけどね。でも、どんな結果になっても恋はあなたを大人にしてくれます。一つの恋があなたの世界を変えますよ」。

長い時間、中村式の激しい言葉のシャワーを浴びて、男性に絶望していた私の考え方も知らず知らずのうちに変わってきたようだ。

ある日、パーティーで一人の男性に出会った。初めて会ったのに驚くほど気が合って、その人は私に手を差し出してくれた。数日間のためらいの中、ふと先生の言葉が頭に浮かんで、私は逃げずにパアッと彼の手をつかんだ。私は大きく変わった。以前の私は非常に引っ込み思案で、何事も他人の態度や気持ちを考えすぎていた。自分のスペースを最小限に縮めて、その中で息をひそめるように生きてきた。私が人との接触をできるだけ避けていることに気づいた彼は、私をいろいろな活動に連れ出しはじめた。彼やその友達と付き合っていくうちに、私はだんだん外の世界が好きになってきた。

こんな私が恋をしたことは、仲間内では大きなニュースになり、先輩や後輩からもずいぶんからかわれたが、しばらく経つうちに、冗談を冗談で返せるようになった。毎週参加している日本語サロンでも、恋にまつわる話を披露するようになった。それも何十人もいる前で!数カ月前までは、人前で話そうとすると、どもってしまっていた私なのに、この変化には自分でも驚くほどだ。

もちろん、中村先生にも真っ先に報告した。先生はニコッと笑って、こう言った。「ね、キミの世界があっという間に変わったでしょう」。そう、一つの恋は世界を変える。私はこの経験を一生忘れないだろう。先生は「検証のない固定概念ほど、人生をつまらなくさせるものはない」とよく言う。この恋がこの先、どうなっていくか、それは自分にもわからない。でも、はっきりわかっているのは、私はこれからの人生、殻を一つひとつ破りながら、新しい自分に出会っていくということだ。本当に中村先生の言うとおりだった。「命短し、恋せよ乙女」。(編集/北田

※本文は、第十三回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「日本人に伝えたい中国の新しい魅力」(段躍中編、日本僑報社、2017年)より、陳群さん(中南財経政法大学)の作品「恋せよ乙女」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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