レーダー照射問題、韓国紙の論調に変化、「映像公開主導」の安倍首相に非難の矛先

Record China    2019年1月4日(金) 12時0分

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海上自衛隊の哨戒機が韓国艦から火器管制レーダーの照射を受けた問題で、韓国紙の論調が変化。「映像公開」を主導したと報じられた安倍首相に非難の矛先を向けている。資料写真。

2019年1月4日、海上自衛隊のP1哨戒機が日本海上で韓国の駆逐艦から火器管制(FC)レーダーの照射を受けた問題で、韓国紙の論調が変化している。あくまで照射を否定する韓国国防省の言い分に深入りすることは避け、「映像公開」を主導したと報じられた安倍晋三首相にもっぱら非難の矛先を向けている。

問題発覚後、韓国国防省の説明は二転三転した。P1哨戒機にFCレーダーは照射していないとは繰り返しているが、最近では「低空飛行で艦艇を威嚇した日本側がむしろ謝罪すべきだ」とも強調している。

これに対し、防衛省は昨年末、当時の状況を撮影した映像を公開。駆逐艦に向け、哨戒機が英語で「貴艦のFCレーダーがわれわれを指向したことを確認した。貴艦の行動の目的は何ですか」と3種類の周波数を使って3回呼び掛ける様子などを明らかにした。

事実関係について、朝鮮日報は専門家の「哨戒機が確保した駆逐艦のレーダー周波数を公開すれば、どちらがうそをついているか確認できる」との話を紹介。日本側が具体的な証拠を握っているとの見方を示唆した。

その上で「これまで通りならば、両国の国防関連当局間で水面下の話し合いをして直接、事実関係を確認し、『誤解』を解くことができる事案だ。このように大ごとになっていること自体が今回の問題の本質なのかもしれない」とも述べた。

こうした中、複数の日本メディアは映像公開について「防衛省は防衛当局間の関係を一層冷え込ませると慎重だったが、安倍首相がトップダウンで押し切った」と報道。「元慰安婦支援財団の解散や元徴用工判決などにレーダー照射を否定する韓国の姿勢が加わり、首相の不満が爆発したもようだ」などと伝えた。

韓国各紙はこれに飛びつき、東亜日報は年末の社説で「レーダー葛藤は執権6年目に入って支持率が落ちている安倍首相が国内世論用としてあおっているという観測も出ている。日本は事態を長引かせながら葛藤を深めるのではなく、速やかに事実関係に基づいて静かに問題を解決すべきだ」と論じた。

韓国日報も「レーダー葛藤をあおる安倍、韓日関係復元意志はあるのか」との社説で、「(日本が)一方的に動画を公開したのは深刻な外交欠礼」と言及。動画公開を推進した安倍首相を「外交葛藤を収拾すべき責任のある政治指導者が、国内政治に利用しようとむしろ葛藤をあおったのだから、慨嘆するしかない」と批判した。

ハンギョレは「日本の『哨戒機映像公開』指示した安倍の政略」との社説を掲載。「映像公開が安倍首相の指示ということに驚く。いったい安倍首相は韓日関係をどこまで悪化させるつもりなのか問わざるを得ない」とし、「国内の政治的利益のために隣接国との外交葛藤を活用する態度を直ちにやめるべきだ」と主張した。(編集/日向)

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