韓国で旅客船事故、「セウォル号と正反対」の対応で199人全員無事救出

Record China    2018年12月26日(水) 11時40分

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24日、韓国メディアは、済州島付近で発生した旅客船事故で乗客・船員計199人全員が無事救出されたと報じた。写真は済州島。

2018年12月24日、韓国・中央日報によると、同日済州島近くの海上で発生した旅客船事故で、乗客195人と船員4人の計199人が、1人残らず無事に救出された。記事は「海洋警察庁の迅速な救助作業と、船員・乗客らの落ち着いた行動が、惨事にならなかった要因だ」と伝えている。

記事によると、24日午後2時43分ごろ、済州島西帰浦市加波島から南東に0.5キロ離れた海上で、旅客船・ブルーレイ1号が漂流した。船内には「漂流中のため、救命胴衣を着用してください」というアナウンスが流れ、乗客らは船員の案内に従い救命胴衣を着用し待機した。「どん」という音が響いて船が止まる危険な状況だったが、乗客のほとんどが落ち着いていたという。

また、海洋警察庁の迅速な初動対応も大きな助けになったという。事故の通報を受け、艦艇と特攻隊を現場に急派し、事故直後に代替船2隻を緊急導入した。海軍と近隣の漁船などにも協力を要請し、万が一の事態に備えた。現場に到着した海洋警察は乗客ら全員を代替船に乗せ、事故発生から1時間22分後の午後4時5分ごろには、全員が無事に下船した。下船当時、乗客らの健康状態は精神的にも身体的にも良好だったという。

一部乗客の間では、(2014年4月に起きた)セウォル号事件と正反対の現場の状況を見て「クリスマスイブの奇跡を作り出した」という声も出ているという。座礁したブルーレイ1号のコ・スンホ船長は事故直後、船員らと共に乗客らを代替船に乗せた後、座礁した船に残ったという。後から行われる曳航(えいこう)作業と、原因調査などに携わるためだった。

セウォル号事件は、船長が船を捨て誰よりも早く脱出したことが大惨事になった原因の一つと言われている。ブルーレイ1号のコ船長は、事故直後から「加波島海域で座礁した」と救助を要請したのち、現場を指揮した。コ船長は「船に水がたまってきているという報告を聞き、乗客らを近くの船に移動させた。乗客が下船を手伝うほど落ち着いていたことも、事故被害を抑えられた要因だろう」と話したという。

今回の事故は、船の舵機室が岩礁などにぶつかり破損したことで起きたというが、正確な事故原因は調査中だという。

これを受け、韓国のネット上では「寒い中みんな無事で幸い」「船長の判断が早かったね。セウォル号も事故が起きてすぐ今回みたいにやっていたら、あんな大惨事にはならなかっただろう」「セウォル号も、海洋警察庁と乗務員がちゃんとしていたら全員助けられたはず」「規模の大小関係なく、船長の迅速な救助要請と、他の船の協力、秩序のある乗客による結果。全員無事で幸い」のように、全員無事で幸いだということや、セウォル号の時との比較をするコメントが多く寄せらせた。

一方で、「セウォル号と何の関係があるの?それにセウォル号の事故があったからこそ、今回の事故ではちゃんと対処されたんでしょ。あれが無かったら、この船がああなっていたかもしれない」「事故が起きる前までは救命胴衣を着用していなかったってこと?事故が起きて船内放送したって…。乗船したら救命胴衣の着用は必須じゃないの?」などと指摘するコメントも見受けられた。(翻訳・編集/仲野)

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