ペットロス対策がビジネスチャンスに、中国で「愛犬クローン産業」が注目

Record China    2018年12月21日(金) 6時0分

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中国メディアの新浪網は19日、テレビや映画の出演で有名な犬のクローンが誕生したとの話題を取り上げた記事で、「ペットのクローンビジネスが立ち上がりつつある」と紹介した。写真は南京市で行われたペット飼育についての啓発活動の来場者。

中国メディアの新浪網は19日、テレビや映画の出演で有名犬のクローンが誕生したとの話題を取り上げた記事で、「ペットのクローンビジネスが立ち上がりつつある」と紹介した。

クローンを残すことになった有名犬の名は「ジュース(中国語原語は果汁、グオジー)」。犬調教師のHさんが拾った雑種だが、これまでテレビや映画数十本に出演して有名になった。推定年齢は9歳。不妊手術を受けており、子孫を残す可能性はない。

Hさんは、年齢を重ねるジュースを見るにつれ、ずっと元気でいてほしいと考えるようになった。「ジュースそのものが、社会に影響を持つ知的財産だ」とも考えた。そして一代かぎりになってしまうのは実に残念と思えてならなくなった。そんなHさんがたどりついたのは、2017年5月にクローン犬を誕生させることに成功した北京希諾谷生物科技だった。北京希諾谷は同年5月にはクローン犬をつくることを「新商品」として売り出していた。料金は最低でも38万元(約620万円)という。

Hさんは同社にジュースのクローン“作製”を依頼。クローン犬としてジュースの遺伝子を受け継ぐ「汁汁」が誕生したのは今年9月中旬で、約1カ月後にはHさんに引き渡された。

北京希諾谷の米継東最高経営責任者(CEO)は、「犬クローン」ビジネスについて「まだ初歩段階」と説明。しかし「ペットの飼い主が従来以上に、ペットと過ごす時間をもっと長くしたいと渇望している」ことが分かったという。

記事が直接触れたわけではないが、ペットを愛する気持ちは中国人も同じはずだ。ペットは多くの場合、飼い主よりも先に死ぬ。とすれば、中国でもいわゆるペットロスに苦しむ人は増えていくはずだ。とすれば、「クローン犬」あるいは「クローン猫」を手掛けるバイオ産業が成長する可能性が見えてくる。

記事は、「中国のバイオテクノロジー産業は急速に発展している。しかも、中国の企業は西側諸国と比べて政府の規制という障害がさらに少ない」と論じた。

香港中文大学医学院の李天立准教授は「中国は動物を利用した実験研究については規則を定めている。ただし、現在のところクローン動物に関連する行為について明確に定めた法律は全く存在しない」、「政府にしてみれば、クローン産業は先端的ハイテクノロジーのイメージを与えるものだ」と説明したという。

北京希諾谷による「クローン犬」の料金設定は、同社にかなり大きな利益をもたらすとの見方もある。(翻訳・編集/如月隼人

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