日韓関係、早期の雪解けは困難?来春に控える日本からの「3・1独立運動」100周年、文在寅大統領も重視

Record China    2018年12月29日(土) 12時20分

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最近の日韓関係は韓国海軍の火器管制レーダー照射問題も重なり、1965年の国交正常化以降、最悪ともされる。しかし、早期の雪解けは望み薄。来春には韓国の文大統領も重視する日本からの「3・1独立運動」100周年を控えているためだ。写真は韓国の国会。

2018年12月28日、日本と韓国の最近の関係は慰安婦支援財団の解散、元徴用工判決などに韓国海軍の火器管制レーダー照射問題が重なり、1965年の国交正常化以降、最悪ともされる。しかし、早期の雪解けは望み薄。来春には韓国の文在寅大統領も重視する日本からの「3・1独立運動」100周年を控えているためだ。

「3・1独立運動」は1910年の日韓併合により朝鮮半島が日本の植民地なってから9年後の1919年3月1日を期して始められた朝鮮近代史上最大の独立運動。1917年のロシア革命の成功、1918年の米国大統領ウィルソンの民族自決宣言の発表などに触発されたともいわれる。

ソウル市内のパコダ公園に集まった学生や市民たちは自然発生的に示威行進。デモ隊は数万に膨れ上がり、ソウル中は「独立万歳」を叫ぶ人の波で埋まった。これに対し、朝鮮総督府は軍隊を動員して鎮圧。「韓国独立運動之血史」によれば、死者7509人、負傷者1万5849人、逮捕者4万6303人などを数えたという。

その後、4月10日には中国・上海で独立派指導者が集まって「大韓民国臨時政府」を樹立。海外から日本への抵抗を続けた。3月1日は韓国で「三一節」として祝日になっている。

文大統領は今年7月、大統領府直属の「3・1運動および大韓民国臨時政府樹立100周年記念事業推進委員会」の発足式であいさつ。3月1日の100周年行事を北朝鮮と共同開催する意向を明らかにした。歴史を南北関係改善のテコとして活用しようという構想だ。

9月18日から20日まで文大統領が北朝鮮を訪問した際に金正恩・朝鮮労働党委員長と発表した「9月平壌共同宣言」の第4項の3には「3・1運動100周年を南北共同で記念し、このための実務的な方策を協議していくことにした」と明記している。

ハンギョレ新聞は100周年記念事業推進委について「かつての独立運動の歴史の記念にとどまらず、大韓民国の新たな価値観をつくる『国家ビジョン委員会』の役割を果たす」と報道。「大統領府は100周年を迎え、大韓民国の正統性とアイデンティティーを立て直し、民主・人権・平和に基盤した繁栄の未来100年を準備すると明らかにした」とも伝えている。

「最終的かつ不可逆的に解決」したはずの慰安婦問題や日本企業への賠償命令が相次ぐ元徴用工判決への対応をめぐり、韓国政府は「誠意を持って対応する」(李洛淵首相)などと繰り返すだけ。どう解決しようとしているかの道筋は依然として不透明のままだ。背景には「反日機運」がさらに高まる3月1日を前に、対日関係の改善に舵(かじ)を切るのは支持率が低下する政権の運営上も好ましくない、との判断が少なからず働いているとみられる。(編集/日向)

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