【CRI時評】カナダは誰が為の「人権の衛士」たるか

CRI online    2018年12月9日(日) 16時15分

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 有名企業ファーウェイのCFO孟晩舟女史が一日、カナダの空港でトランジットする際、米国側の要求を受けたカナダ当局により身柄を拘束された。そしてこの金曜日(現地時間七日)には、バンクーバーの裁判所で保釈のための公聴会が開かれたが、五時間にわたる審理にも関わらず、裁決は下ることなく、...

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 有名企業ファーウェイのCFO孟晩舟女史が一日、カナダの空港でトランジットする際、米国側の要求を受けたカナダ当局により身柄を拘束された。そしてこの金曜日(現地時間七日)には、バンクーバーの裁判所で保釈のための公聴会が開かれたが、五時間にわたる審理にも関わらず、裁決は下ることなく、来週月曜(十日)に引き続き審理されることとなった。

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 孟女史の逮捕と勾留は、国際社会にハリケーンを巻き起こし、ファーウェイのみならず、中国の民衆と政府も驚きと憤慨を以て迎え、国際世論のざわめきと非難を誘った。しかし、このハリケーンが撒き散らす砂利の雨は、世界に向けてよりクリアな形でいくつかの真相を呈することになり、それに伴い、カナダは予想外の代価を支払うことになるだろう。

 一つ目は、これまで一貫して法体系の緻密さと公平、正義の原則を売り物としてきた米国とカナダが、この事件によって、その司法の公正性を「霞の衣」に変え、覇権主義の本質を赤裸々に世に晒すこととなるという「代価」だ。

 報道によれば、ニューヨークのイーストビレッジの検察側がカナダで孟女史逮捕を申請した理由は、イランに対する制裁に関する禁止令に違反した容疑によるものとされる。これについて、ファーウェイは即時に声明を発表し、ファーウェイはそれぞれの国の全ての法規を遵守しており、国連、米国、EUで適用される輸出規制と制裁法規についても同様に遵守しているとした。しかも、米国のイランに対する制裁は、それ自身が国際法に違反するものだ。今年の十月三日、国際司法裁判所は、米国の対イラン制裁は両国が一九五五年に締結した『経済関係と領事権に関する友好条約』に反するものであり、米国はイランに対する人道物資ならびに民間航空の安全に関連する商品とサービスに関する制裁を即刻停止すべきとの見做し裁定を下した。この瞬間、米国は自らのミスに気づき、条約の破棄を宣言することとなった。

 主権国家としてのカナダも、米国の司法申請の執行の際に状況を理解していなかったことはあり得ないにも関わらず、「我々は司法手続きの独立性を尊重しており、この決定に政治的関与はない」との態度を示した。これでは、カナダ政府当局による「代理法執行」行為に対する不満を抱くネチズンらが、「カナダは自由で民主的な国だと思っていたが、米国の家来に過ぎなかった」との評を与えるのも仕方のないことだろう。

 二つ目は、カナダの手法はその人権分野におけるダブルスタンダードの程を暴露し、カナダが人権保護アクションの破壊者となり、世界の平和で安定した発展を損なっていることを示してしまったという「代価」だ。

 英『フィナンシャル・タイムズ』紙は米国の情報部門出身者の言葉を引用し、孟女史の逮捕は「やり過ぎた」との評を発表した。ツイッター上での本件に関する各国のネチズンの評価には「誘拐だ」「手段を選ばない」との言葉が並ぶ。あるネチズンは、「米政府はどうやって中国女性がカナダでトランジットすることを知っていたのだろう」と疑問を呈している。周知の通り、カナダは、米国、英国、豪州、カナダ、ニュージーランドの情報機関により組織されるUKUSA協定のメンバーであり、メンバー内部では情報とデータを互いにシェアしあっている。これは人々の疑問に答える事実であると同時に、人々の不安を増す材料にもなっている。

 三つ目に、今回の事件は中国のハイテク業界におけるリーディングカンパニーに照準を当てた攻撃行為であり、カナダがそのプロセスに於いて「デストロイヤー」の役割を負っていたことがクリアになりつつあるという「代価」だ。

 米国が一方的にイランに制裁を加えることについて、カナダ政府は反対の立場を示していた。しかし、米国がこれを理由にファーウェイに対処しようとすると、カナダは素直に従い、隠していた「私的欲求」を暴露してしまった。ファーウェイは中国のみならず、世界でも最も優秀な移動通信インフラのサプライヤーであり、第五世代通信技術の分野においては世界をリードし、世界でも一二を数える知財と技術を有している。米『ウォール・ストリートジャーナル』紙によれば、カナダの安全情報サービスの責任者は、「外国の干渉と間諜活動はカナダの繁栄と発展、ならびに国益に対する『最大の脅威』であり、カナダはファーウェイを含む一部の『サイバー攻撃活動』を禁止することを考えていると」したとされる。これは、中国企業のコンピテンシーに対し、一部の国家が政治的手段で障壁を設けることを考えていることを示すものだが、歴史が何度も証明している通り、そうした手段の被害者は、常に逆境から這い上がり、時には一足飛びな発展をするものだ。

 四つ目は、カナダの今回の行動は、中国社会の強い関心を集め、カナダのイメージを一夜にして貶めたという「代価」だ。

 ここ数日、中国のネチズンの多くは、米加の行為に疑問と非難を投げかけ、ファーウェイに声援を送り、孟女史の釈放を強く求めている。これまで中国人はカナダに対して好感を抱いており、ほぼ全ての中国人はカナダのべチューン医師が当時中国の抗日戦争を支援した故事を知っている。二〇一七年には両国の観光往来規模は延べ百五十万人に上り、新記録を樹立、二〇一八年は「中国・カナダ観光年」にも定められた。国の交わりは民衆の親しみを基礎とするものであり、民心を失うことは、両国の往来の原動力を失うことでもある。今回のカナダによる逮捕劇は、中加関係に深遠で、長期にわたるネガティブな影響をもたらすことになろう。

 孟晩舟事件は中加関係に影響を与えるのみならず、世界にも不安をもたらしている。それは、事件が公になった途端、世界の株式市場と通貨市場に激震が走ったことからも明白だ。ファーウェイと中国政府は冷静を保ちつつも、その方針は変わることがない。ファーウェイは、カナダと米国の法体系は最終的には公正な結論を導き出すと信じているとしている。中国当局も、カナダ警察当局が米側の求めに応じて米加の法規に何ら違反していない中国の国民を逮捕することは、深刻な人権侵害行為であり、中国側は断固たる反対と強い抗議の意を示している。

 「即刻釈放し、孟晩舟女史の身柄の自由を回復せよ」とは、ファーウェイと中国政府の条理と法理に適った要求だ。今曲がり角にあるカナダ政府と司法当局が、公平、正義の道筋に背き、誤った道を進み過ぎぬよう望むばかりだ。(CRI論説員)

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