【CRI時評】中国の知的財産権保護に、改めて一里塚が登場

CRI online    2018年12月8日(土) 13時10分

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 報道によると、中国の裁判所が知的財産権の案件を審理する件数は近年来、急増している。2017年には一審、二審、再審申請など各種全てを含めて知的財産権の案件は24万件近くに達した。16年比で33.50%の増加だ。知的財産権侵害の案件の裁判を遂行することは、中国の知的財産権保護の実行...

 報道によると、中国の裁判所が知的財産権の案件を審理する件数は近年来、急増している。2017年には一審、二審、再審申請など各種全てを含めて知的財産権の案件は24万件近くに達した。16年比で33.50%の増加だ。知的財産権侵害の案件の裁判を遂行することは、中国の知的財産権保護の実行力と実際の実効性に直接関係している。

 12月3日、周強・国家首席法官(国家首席裁判官)兼最高人民法院院長(最高裁長官)が主宰した会議が「最高人民法院の知的財産権の法廷における問題についての規定」を審議し原則的に通過させたことで、最高法院知的財産権法廷が全国範囲における専門的技術側面が比較的強い特許などの上訴案件を統一して審理する責任を持つことになった。

 それより前、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会は「特許など案件の訴訟の手順の若干の問題についての決定」を採択した。来年1月1日からは、発明特許、実用新案、植物の新品種、集積回路のレイアウト設計、技術上の秘密、コンピューターのソフトウエア、独占事項など専門技術性が比較的高い知的財産権の民事および行政案件について、当事者が一審判決に不服で上訴する場合には、最高人民法院(最高裁)が審理することになる。

 アナリストのひとりは、最高法院が最高法院知的財産権法廷を成立させ、一部の特許侵害案件の二審を審理することは、中国政府が知的財産権の専門化された審理体制を完備させることの現れであり、科学技術の革新の努力をさらに促進することで国際社会に向け知的財産権を保護する決意と力の入れ具合を改めて表明することだと指摘した。

 2008年において中国はすでに、「国家知的財産戦略綱領」で「知的財産権審理体制の完備、審理資源の配置の改善、救済手順の簡素化」の目標を明確にしていた。「知的財産の民事・行政・掲示案件を統一して受理する専門の知的財産権法廷設置の研究」、「知的財産権の上訴法廷の設立の模索」は、この目標のためのふたつの措置だ。

 中国イノベーション駆動発展戦略の全面推進に伴い、2014年に全人代常務委員会は「北京・上海広州で知的財産権法廷を設立する決定について」を採択した。その後、経済と科学技術が相対的に発展している地域では北京・上海・広州モデルに類似した技術関係案件の一審を集中して審理する専門の知的財産権法廷が十数カ所、続々と成立し、専門化された裁判がイノベーションを激励し保護する社会効果が生み出された。

 中国共産党第十九回全国代表大会後、最高法院は知的財産権法廷を設立し特許侵害などの上訴案件を審理するようになった。これは疑いなく、中国がイノベーションの激励と保護を行い、知的財産権の保護を改めて強化する一里塚だ。

 この新たな措置は、中国の科学技術のイノベーションの分野において各方面の当事者が長く抱いていた要求に応じるものだ。まず第一に、発明特許の権利確定についての行政案件の上訴管轄と全国の特許などの技術侵害の民事案件の上訴管轄をひとつにまとめることで権利の効力と権利侵害の判断という訴訟における二大手続きが連結され、裁判基準の統一が実現できた。例えば、権利要求の解釈とイノベーションについての標準化の掌握だ。第二には、中国各省に分散されていた高等法院(高裁)の技術関連の民事案件の上訴が、集中して審理されることになったことだ。このことは、科学技術のイノベーションについて各地の裁判所の判断基準が不統一という制約があった問題の解決に有益だ。

 最高裁という枠組みの下に置かれることで、新設の知的財産権法廷は、この種の裁判権をどの省の高等法院が持つかで発生しかねない争議を終息させ、中国における難しい知的財産権案件の裁判の質と効力を向上させ、司法による知的財産権保護の力を増強し、司法の発信力を着実に向上させるために大きく貢献する。(中国社会科学院法学研究所 管育鷹)

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