中国赴任は「ハズレくじ」?韓国が在中国大使の等級を下げた理由―米華字メディア

Record China    2019年4月18日(木) 10時10分

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15日、韓国紙・朝鮮日報によると、韓国外交部は昨年北京にある韓国在中大使館の等級を「甲級」から「乙級」に引き下げた。写真は北京。

米華字メディア・多維新聞の15日付の記事によると、韓国の朝鮮日報は、韓国外交部は昨年10月に北京にある韓国在中大使館の等級を「甲級」から「乙級」に引き下げ、今年に入ってからはその変更がすでに適用されていることを伝えた。

14日に報道された朝鮮日報によると、韓国・聯合ニュースが報じた韓国外交部の官僚の談話からこの情報は事実であることが分かっているが、この『降格』に政治的な意図はなく、目的は若い外交官を中国に赴任させることにあるとみられている。

朝鮮日報は、「韓国外交部の規定で、韓国の在外公館は現地の治安や気候、物価、病気の流行状況といった生活条件に基づいて『甲』『乙』『丙』『丁』の4段階にレベル分けがなされている。『甲』級の在外公館は主にワシントン、東京、ロンドンといった大都市に、『乙』級は中・東欧や東南アジア地域に、『丙』級はモスクワや南米諸国に、『丁』級はアフリカや中東、西アジア、南アジア地域に多く位置している。かつて韓国在中大使館は、在米大使館、国際連合韓国政府代表部、OECD韓国政府代表部と並んで4大『甲1級』大使館であるとみなされていた」と伝えた。また、「外交部は『赴任地等級別ルーティーン』制度を採用しており、『甲』級の在外公館での任務が終わった後は必ず『丁』級の在外公館に派遣される」とも説明した。

また、「10年前は在北京大使館のポジションはワシントンにある在米大使館やニューヨークの総領事館に引けを取らないくらい人気があった。中国の国際的な地位が米国と肩を並べるほどになるにつれ、中国が韓国の外交に及ぼす影響もますます大きくなっていった。しかし4、5年前からその人気は徐々に下降していき、今では在北京大使館は韓国の外交官らが真っ先に『避ける』ポストになってしまった。外交部が去年上半期に実施した派遣先の希望調査では、在北京大使館のポストに『誰一人申請しなかった』という」としている。

韓国のある外交官は個人的に「在中大使館の人気がなくなったのは、大気汚染と物価の上昇が理由だ」と話しているという。同外交官は「北京の大気汚染レベルの平均値はソウルの2倍だ。環境が劣悪な地域に赴任した外交官は補助金を受け取ることができるが、北京の大気汚染の程度はその範疇を超えている」「加えて中国で近年起きている急激な物価上昇は外交官にとって経済的に少なからぬ負担になっている」などと話しているそうだ。他にも、ある匿名の外交分野の専門家は「以前、韓国の外交部では『外交人材として身を立てたければ必ず中国へ行け』という言い方があったが、今ではそのような雰囲気はすっかりなくなってしまった」と話したという。

朝鮮日報はまた「在中大使館が『乙』級に認定されれば、在中大使館で任期を終えた外交官が次に派遣されるのは『丙』級の在外公館になり、『丁』級在外公館に行かなくてよくなる。在中韓国外交部が在中大使の『降格』に踏み切ったのは、より長期的に中国に赴任するよう呼び寄せることができるためだろう」と伝えている。

聯合ニュースによると、韓国外交部の高官は「在中大使館の降格理由は大気汚染で、今年2月から新しく赴任する外交官に適用される」と明言する一方、「在外公館の等級とそこでの業務内容との間に一切の関連性はない。例えばロシアは朝鮮半島の周辺に位置する4大強国の1つに数えられるが、その首都モスクワにある在ロシア大使館は『丙』級である」と強調したという。(翻訳・編集/岩谷)

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