「日本に比べ災害対策甘い」と韓国紙、ソウル中心部の通信ケーブル火災、「IT大国」の脆弱さ露呈

Record China    2018年11月30日(金) 13時20分

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韓国全土で大規模な通信障害を招いたソウル中心部のケーブル火災をめぐり、韓国紙は「IT大国を自負する韓国社会のもろさを露呈した」と相次いで指摘。「日本に比べ災害対策が甘すぎる」と警鐘を鳴らしている。写真は韓国・ソウル。

韓国全土で大規模な通信障害を招いたソウル中心部のケーブル火災をめぐり、韓国紙は「IT大国を自負する韓国社会の脆弱(ぜいじゃく)さを露呈した」と相次いで指摘。日本は災害発生に備え、「システムのバックアップ体制の構築などを進めた」などとして、「日本に比べ災害対策が甘すぎる」と警鐘を鳴らしている。

ハンギョレ新聞は24日に起きた今回のケーブル火災について、「『世界最高5G技術力』標ぼうしたIT強国、大韓民国の“急所”があらわになった」と報道。「ユーザーたちは文字通り通信の“暗黒状態”に陥った。火災現場付近の警察署の112通信システムや病院の電算網、無人警備システムも一時まひした。カード決済や電話注文システムが途切れ、レストランやコンビニエンスストアなどでも大きな混乱が起きた」などと伝えた。

朝鮮日報は「見掛け倒しの通信大国」との記事を掲載。「過去の通信障害に学んで対策を講じておくこともできただけに、対策の甘さを指摘する声が出ている。特に災害対応の先進国といわれる日本のケースと比べる声が多い」とした上、日本は東日本大震災などを教訓に「通信の信頼性の向上と通信量急増に対する対策を検討し、施策を確立した。災害発生時に公共機関のウェブサイトへのアクセスが急増する事態に備え、システムのバックアップ体制の構築などを進めた」などと詳しく報じた。

さらに「政府を含め企業側も今回の火災を機に、5世代(5G)通信のような将来を見据えた分野ではなく基本に忠実になるべきとの指摘もある」と問題提起。学識経験者の「結局は経費削減のために対策を取っていなかったわけだ。法で強制されていないからといって安全性を軽視し、5Gなどの先端技術に集中するよりも、基本に忠実になることが必要だ」との声を紹介している。

中央日報は社説で「今回の事態は基本的に通信大手KTの管理不良が問題だったが、国家の基幹施設を総合的に管理するシステムが不備だったということから政府の責任も決して軽くない」と論じた。

この中では「政府と通信キャリアは地震など災害の時、広域基地局を稼動する日本の移動通信キャリアの事例を参考にする必要がある」と言及。「基地局一つが災害で故障しても近隣の他の広域基地局がカバーして通信途絶事態を防ぐシステムだ。船舶型基地局も最近、地震が起きた時に活用された」などと説明している。

その上で「自動火災探知設備と自動鎮火システムがあれば、今回の火災も初期に収拾することができた。通信がわれわれの生活に及ぼす莫大(ばくだい)な影響力を考えて通信施設の安全規制を一から見直してほしい」と訴え、政府に一層の対策を求めている。(編集/日向)

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