中国政府、米国のINF全廃条約離脱を批判=自国の条約参加は拒否

Record China    2018年11月6日(火) 10時20分

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中国外交部の華春瑩報道官は5日午後の記者会見で、ロシアとの2カ国条約である中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を表明したことについて、「米国の一方的な離脱に反対する」と述べた。

中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は5日午後の定例記者会見で、米トランプ政権が、米国が1987年に旧ソ連と締結した中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を表明したことについて、「中国は米国の一方的な離脱に反対する」と述べた。一方で、中国を含めた新しい条約を作ることにも反対した。

INF全廃条約は、1987年12月に米国とソ連が締結した射程が500キロメートルから5500キロメートルの範囲にある核弾頭および通常弾頭搭載の地上発射型の弾道ミサイルと巡行ミサイルの廃棄を求める条約。署名したのはレーガン米大統領とゴルバチョフソ連共産党書記長だった。

トランプ大統領は10月20日、ロシアが長年にわたり条約違反をしてきたと主張し、離脱を表明した。トランプ大統領がINFからの離脱を決意した背景には、中国の軍事力強化に対抗する意図があるとの見方がある。中国はINFの締結国ではないため、中距離ミサイルを自由に開発・保有できるからだ。

華報道官は同問題について、「INFは米ソが達成した条約であり、2国間条約の性質を持つ。INFは国際関係の緊張緩和や核軍縮の進展、さらに全地球の戦略バランスと安定を維持するために重要な働きをした。現在でも極めて重要な意義を持つ」として、「中国は米国が一方的に離脱することに反対する」と述べた。

ロシアは旧ソ連の後継国家として、旧ソ連が諸外国と締結した条約を継承した。そのためINFの現在の締結国は米ロだが、同条約はロシアの軍事力をけん制しているため、米国以外の北大西洋条約機構(NATO)加盟国にも密接な関係がある。NATOでは、英国とフランスが核兵器保有国だ。また、中国も主要核保有国の一国だ。そのため、INFをNATOや中国も加えた多国間条約に変更すべきだとの意見もある。

華報道官はINFの変更について「多国間条約化には反対する」と主張。その上で「中国は防御的な国防政策を信奉しており、軍事力の発展分野では、一貫してできるかぎり自制する態度を取ってきた。他のいかなる国にとっても脅威になることは考えておらず、脅威になることはあり得ない」と説明した。(翻訳・編集/如月隼人

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