マルチ商法の拠点を急襲、関係者92人を検挙=全面禁止も後絶たず―陝西省西安市

配信日時:2018年10月29日(月) 9時10分
マルチ商法の拠点急襲、関係者を大量検挙―陝西省西安市
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西安市警察は25日早朝、マルチ商用を行っていた関係者が住むマンション19カ所を摘発し、関係者92人を拘束した。中国でマルチ商用は全面禁止されているが、事件は後を絶たない状態だ。
陝西省メディアの華商報によると、同省西安市警察は25日早朝、マルチ商用を行っていた関係者が住むマンション8カ所を摘発し、関係者92人を拘束した。中国でマルチ商用は全面禁止されているが、事件は後を絶たない状態だ。

25日早朝の摘発には、警察官185人以外に、市政府の関係部門の職員75人も加わった。マルチ商法を行っていたグループは数人ごとに分かれてマンションに住んでいた。摘発行動の開始は午前5時半で、午前10時までには19カ所を急襲し、関係者92人を拘束した。

警察官などに急襲された際、「パソコンのキーボードやマウスを販売していた」などと弁明したが、ブランド名を尋ねたところ、キーボードやマウスは扱っていない企業名を述べた者もいたという。グループは商品販売の実態のない、会員獲得で利益を上げることだけを目的にしていた可能性が高まった。

警察は以前からマルチ商法グループの摘発を続けており、25日の一斉検挙の前に、拠点25カ所を捜査し、75人を検挙していたという。

中国でマルチ商法は全面的に禁止されている。しかし同様の事件が後を絶たない。マルチ商用に加わった者がノルマ達成ができずに精神的に追い詰められて自殺する例なども出ている。また、「会員」を外部から隔離して、いわゆる「洗脳」を行うなどの事件も発生している。

マルチ商法の日本における正式名称は連鎖販売取引。ネットワークビジネス、マルチレベルマーケティング(MLM)と呼ばれる場合もある。商品(またはサービス)の販売元が、「会員」などと称する参加者を募る。「会員」は知り合いなどを勧誘して自分の「下部会員」作る。その「下部会員」はさらに自分の下の「下部会員」を作る。商品は会員のネットワークを通じて流れていく。

マルチ商法を行う個別の組織により規定は異なるが、会員は自分の下部会員、さらにその下の会員による売り上げにもとづき報酬を得ることができる。つまり、下部会員の「世代層」や全体数を増やせば、莫大な収入を得られる場合がある。しかし会員数はねずみ算式に増えるので、新規会員の獲得はいつかストップする。そのため、一攫千金を狙って参加しても利益が得られない場合がある。

マルチ商法は運営企業にとって、企業自身が広告や営業のための費用をあまり用いないでも、販路を拡大し売り上げを伸ばせるメリットがある。そのため、品質のよい商品を一般的な価格よりも安価に販売している例もある。

問題は、規則に定められたノルマなどをよく理解せずに参加した会員が、莫大な損失を被る場合があることだ。また、既存会員が新規会員の獲得に際して、規則やリスクなどをきちんと説明しない事例もある。つまり、「契約最優先」「自己責任」「リスク管理」などのの意識が徹底していない社会では、マルチ商法の弊害が出やすいことになる。日本では特定商取引法が義務や禁止行為を定めることなどでマルチ商法を規制している。

中国政府は1998年の「マルチ商法経営活動の禁止に関する通知」により、マルチ商法を全面的に禁止した。同通知は冒頭部分で「マルチ商法はわが国の現段階の国情に合致せず、深刻な危害を生じさせている」と宣言。「本来は、自由意志にもとづく経済行為」との認識を示唆しつつ、現状では受け入れられないとの方針を確定した。

商品売買の流通を伴わず、あるいは事実上伴わず、上部会員に「会費」などを支払うだけの組織とその運営は無限連鎖講と言い、マルチ商法とは区別される(日本では全面禁止)。しかしマルチ商法は創始者(販売元)および会員に「ビジネスの目的は良質な商品を広く販売して利益を得ること」との意識が乏しかった場合、無限連鎖講と同様な状況になりがちだ。中国で発生したマルチ商法も、事実上の無限連鎖講である場合が多い。(翻訳・編集/如月隼人
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