「競争から協調へ」、日中首脳会談で新3原則確認、冷え込んだ関係の立て直し、ようやく端緒に

Record China    2018年10月27日(土) 15時50分

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日中首脳会談で両国は関係発展に向けた「競争から協調へ」など新たな3原則を確認。尖閣諸島問題など冷え込んだ関係の立て直しがようやく緒に就いた。写真は北京の天安門広場。

安倍晋三首相と中国の習近平国家主席の日中首脳会談が26日、北京で行われた。会談では友好ムードの中、両国の関係発展に向けた「競争から協調へ」などの新たな3原則を確認。尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題などで冷え込んだ関係の立て直しがようやく端緒に就いた。

日本の首相の公式訪問は、2011年12月の野田佳彦首相(当時)以来、約7年ぶり。北京中心部の天安門前には中国国旗の五星紅旗と並んで日の丸が掲げられた。26日午前に人民大会堂前で歓迎式典に臨んだ安倍首相は、李克強首相と共に儀仗(ぎじょう)隊を閲兵した。

安倍首相は同日夕、釣魚台迎賓館で習主席と会談。安倍首相は午前中の李首相との会談で確認した「日中関係を競争から協調へ、新しい時代へと押し上げる」「互いにパートナーであり、脅威とはならない」「自由で公正な貿易関係の発展」の新たな日中関係の3原則を示し、「新しい時代を共に切り開いていきたい」と呼び掛けた。

これに対し、習主席は「このような歴史的なチャンスを捉えて、それを中日関係発展の新しい歴史的な方向性にしなければならない」と指摘。「中日関係はさまざまな関門を通り抜け、曲折を経験してきたが、双方の努力のもと正しい軌道に戻り、前向きな勢いを見せている」と強調した。安倍首相が来年の日本訪問を要請したのに対し、習主席は「真剣に検討したい」と応じた。

安倍首相は第1次政権当時の2006年10月、前任の小泉純一郎首相の靖国神社参拝などで滞っていた中国との関係を改善するため、初めての外遊先に中国を選んだ。当時の胡錦濤国家主席との間で、日中両国が政治における信頼関係を醸成し、国民の相互理解を深めるなどして、さまざまな分野で共通の利益を目指す「戦略的互恵関係」を構築していくことで一致した。

2008年5月に胡主席が国賓として来日した際には、当時の福田康夫首相と「戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明」を発表。声明には「日中関係が両国のいずれにとっても最も重要な2国間関係の一つ」「協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認」「グローバルな課題への貢献」などが盛り込まれた。

しかし、2010年9月に尖閣諸島海域で起きた中国漁船衝突事件や12年9月の日本政府による尖閣諸島国有化などにより、日中関係は悪化。共同声明に沿った協力関係は、ほとんど実現できないままだった。

今回の新3原則は「戦略的互恵関係」をうたった2008年の共同声明と同趣旨。今後、日中間で「失われた時間」を取り戻す作業が始まることになるが、中国は10年に国内総生産(GDP)で日本を抜き、米国に次ぐ経済大国に躍進した。貿易や南シナ海をめぐる米中の対立激化など国際情勢の大きな変化もあり、先行きは不透明だ。(編集/日向)

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