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「下水油」を使った飲食店関係者が起訴される、被告側「伝統的な技法だ」と反論するも敗訴

Record China    2018年10月21日(日) 20時10分

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澎湃新聞などの中国メディアは20日、火鍋店関係者が客に出す料理に「下水油」を使ったとして訴えらえていた裁判で、被告代理人の弁護士が「伝統技術の継承だ」と主張したと紹介する記事を発表した。弁護士の主張は認められず、被告には有罪判決が言い渡された。

澎湃新聞などの中国メディアは20日、飲食店関係者が客に出す料理に「下水油」を使ったとして訴えらえていた裁判で、被告代理人の弁護士が「伝統技術の継承だ」と主張したと紹介する記事を発表した。弁護士の主張は認められず、被告には有罪判決が言い渡された。

「下水油」は中国語で、「地溝油(ディーゴウヨウ)」と呼ばれる。2010年ごろから「下水管内に浮いていたり、管の壁に貼りついている油が回収され、飲食店での調理用や加工食品製造用に使われている」として問題になった。その後、飲食店などが一度使った油を再び利用した場合も「下水油(地溝油)」と呼ばれるようになった。

四川省資陽市安岳県警察は3月、県内の火鍋(鍋料理)店で、客が使った鍋の中に残っていた油に厨房内でろ過するなどの処理を施して、新しい油と1対1に混ぜて、再び客に出していたとして、経営者と調理師、接客担当従業員の計4人を検挙した。「下水油」を使っていたのは2012年9月から18年3月にかけてとされる。

同店で使われていた「下水油」を分析した結果、有害成分は含まれていなかったという。裁判において被告代理人の弁護士は、古い油を使うのは「巴蜀火鍋(四川と重慶の鍋料理)の技術の伝承」と主張。問題とされた油には有害成分が含まれていなかったとして「火鍋店は相対的に安全な環境の中で、油の回収を行った。検査結果からは、添加が禁止されているスーダンレッドなどの物質も見つからなかった」として、同店が回収して再利用をしていた油を、単純に下水油と決めつけるべきでないと主張した。

しかし安岳県人民法院(裁判所)は、最高人民法院(最高裁)、最高人民検察院、公安部(中国警察)が連名で発表した「法にもとづき『下水油』犯罪活動に懲罰を与えることについての通知」では、飲食店でいったん廃棄した油を食品として再利用した場合も、「下水油の使用」に含まれているとして、被告側弁護士の主張を退けた。

被告4人にはそれぞれ執行猶予2~4年がつけられた懲役1年6カ月から2年6カ月の懲役刑と、5000~2万元(約8万1000~33万円)の罰金の判決が言い渡された。経営者には「下水油」の利用で不当に得た利益分の6万7000元(約109万円)の追徴と、県検察が原告となった民事公益訴訟の判決結果として67万元の賠償の支払いも命じられた。(翻訳・編集/如月隼人

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