中国人の対日好感度が大幅改善、日本人は9割が中国の印象「悪い」と判断=双方とも過半数が「軍事的脅威感じる」―日中世論調査

Record China    2018年10月11日(木) 18時50分

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言論NPOは中国国際出版集団と共同で実施した「第14回日中共同世論調査」の結果を発表。中国人の日本に対する好感度が大幅に改善したものの、日本側の意識はほとんど変わらず、日中両国民間で認識のズレが生じていることが分かった。写真は発表記者会見。

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2018年10月11日、言論NPO工藤泰志代表)は中国国際出版集団と共同で実施した「第14回日中共同世論調査」の結果を発表。中国人の日本に対する好感度が大幅に改善したものの、日本側の意識はほとんど変わらず、日中両国民間で認識のズレが生じていることが分かった。

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調査結果によると、中国人で日本に「良い」印象を持っているのは昨年の31.5%から42.2%に上昇し、「悪い」は56.1%と昨年の66.8%から10ポイント改善した。中国人で日本に「良い」印象を持つ人が4割を超えるのは、14回の調査で初めて。一方、日本人は86.3%と9割近くが中国の印象を「悪い」と見ており、昨年の88.3%からほとんど変化が見られなかった。

ただ現在の日中関係に関する意識は両国とも大幅に改善。中国人で日中関係を「悪い」と見ている人は昨年の64.2%から45.1%に20ポイントも改善した。日本人も「悪い」との回答は39%にとどまり、8年ぶりに4割を下回った。

今後の日中関係の見通しについても、「良くなっていく」と見ているのは、日本人では15.6%にとどまったが、中国人は38.2%と4割近くに達するなど、日本人と比較すると楽観的な予想をしていることが明らかになった。

相手国への印象が良くない理由(複数回答)について、日本側は「尖閣諸島周辺の領海・領空をたびたび侵犯しているから」が58.6%で最多。「中国が国際的なルールと異なる行動をするから」が48.0%で続いた。中国側は「侵略した歴史をきちんと謝罪し反省していないから」が54.7%で最も多かった。

中国人の対日好感度は高まっているが、日本に軍事的な脅威を抱く人の割合はこの1年で79.4%に増大し、世界で最も多くなった。日本人も昨年を上回る57.5%が中国に対し軍事的な脅威を感じていることが明らかになった。領土を巡る日中間の軍事紛争について「起こると思う」(「数年以内に」「将来的に」の合計)と考える人は、中国側の56.1%に対し、日本側は27.7%だった。

言論NPOの工藤泰志代表は都内で開かれた発表記者会見で、「中国人の対日好感度が改善されたのは、トップ同士の会談が重ねられたことや、訪日中国人が良い印象を持って帰国していることなどが反映された結果だ」と分析。「日本人は尖閣周辺や南シナ海などで繰り広げられる中国の行動に違和感を覚え、それに反発している。一方中国人の見方には、日本が米国と連携して中国を包囲しているという懸念もあるようだ」と説明。「締結後40周年を迎える日中平和友好条約に盛り込まれた『不戦の誓い』を双方があらためて確認し、安全保障面での緊張関係を除去することが必要だ」と強調した。

高岸明・中国国際出版集団副総裁は「日中平和友好条約締結40周年の節目の年に、相互の国民感情が改善しつつあるのは喜ばしいことだ。さらに交流や相互理解が進むよう期待したい」と語った。

調査は8月13日~9月4日、日中両国の18歳以上の男女を対象に実施。日本は1000人、中国は1548人から回答を得た。(八牧浩行

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