中国とスウェーデンの対立、観光客トラブルが外交問題に発展、テレビ番組も「中国人侮辱」と火に油

Record China    2018年9月28日(金) 20時10分

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中国人観光客とホテルのトラブルに端を発した中国とスウェーデンの対立が外交問題にも発展するなど激化。スウェーデンのテレビ局が放映した番組も「中国人を侮辱」と反発を招き、火に油を注いでいる。写真はストックホルム。

2018年9月28日、中国人観光客とホテルのトラブルに端を発した中国とスウェーデンの対立が外交問題にも発展するなど激化している。トラブルがSNSを通じて中国内で拡散し、スウェーデン側の対応に非難が集中。スウェーデンのテレビ局が放映した番組も「中国人を侮辱」と反発を招き、火に油を注いでいる。

対立のきっかけは今月2日未明、スウェーデン首都のストックホルムを訪れた中国人親子の旅行客3人に対する警察の処置だった。予約の1日前、ホテルに到着した親子はロビーで待機することを求めたが、ホテル側は認めず、警察に出動を要請して強制退去させた。

親子はこの様子の動画を中国のウェブサイト上で公開。そこにはロビー内で腹ばいになって動こうとしない父親、倒れこむ息子、「殺人だ」「助けてくれ」と座り込みながら悲鳴を上げる母親が映っていた。

これを見た中国のネットユーザーからは憤慨する声が続出。在スウェーデン中国大使館は「3人のうち2人は高齢者であり、1人は病気だった。警察は3人を人のいない郊外の墓地に連れて行き放置した。深夜であり気温は摂氏10度以下だった」などと非難するとともに、スウェーデンによる真相の確認と謝罪、警察関係者の処罰や賠償を求めた。

これに対し、スウェーデン政府は「警察が実際に過失や違法行為をしたかどうかを判断するため、特別検察官を任命する」と回答したが、21日になってスウェーデン・テレビ(SVT)がコメディーショーで、このトラブルを面白おかしく放映。「中国人を侮辱している」と中国内で新たな物議を醸した。

番組では警察官2人に両手両足を持ち上げられた中国人が「This is killing(これは殺人だ)」と何度も叫ぶ当日の動画にキャスター役がその口まねをし、そのシーンに笑い声をかぶせるなどを演出。現地リポートに見立てたコーナーでも、女性リポーター役が「中国人がスウェーデンを訪れることを歓迎する」としながら、「歴史的建物の周囲で大便をしてはいけない」「あなたが犬を散歩に連れている人を見つけたとしても、彼は昼ごはんを買ってきたのではない」などと皮肉った。

中国メディアによると、現地の中国大使館22日、番組の内容や出演者の発言が中国と中国人に対する侮辱・攻撃に当たるとして、STVに強く抗議。中国外交部の耿爽報道官も24日の記者会見で「中国および他のエスニックグループに対する差別、偏見、挑発に満ちており、メディアの職業倫理に完全に背離していた」など糾弾した。

番組の制作責任者は中国側の抗議に対し、「謝罪する意思はない」とした上で、「中国人はユーモアとは何かを理解していない。彼らはわれわれの意図を誤解している」などと回答。中国の各メディアは、「このような『ユーモア』をわれわれは受け入れない」(共産党機関紙の人民日報)、「傲慢(ごうまん)と偏見に満ちた荒唐な振る舞い」(国営新華社通信)、「驚くべき低品格」(国営中央テレビ)などと評し、一斉に反発した。(編集/日向)

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