農園にヒョウが侵入、駆けつけた自然保護担当官が使用した「最終兵器」とは―吉林省

Record China    2018年9月28日(金) 23時0分

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吉林省琿春市郊外の農園敷地内にヒョウが侵入した。ヒョウは建物内に退避した住人をガラス越しに威嚇した。

吉林省琿春市郊外の農村部でブドウ園を経営する于彦啓さんは26日正午ごろ、自宅で友人と食事をしていた。すると突然、飼い犬が猛烈な勢いで吠えるのが聞こえてきた。様子がおかしい。于さんは建物を出て、様子を見ることにした。

飼い犬が、自分より大きな動物と闘っている姿が見えた。ヒョウだ。自分も襲われるかもしれない。于さんは急いで、建物内に退避した。飼い犬は抵抗できなくなったようだ。

ヒョウは、于さんらがいる建物の方にやってきた。于さんらはガラス戸越しに屋外の様子を動画撮影していた。中国メディアの新浪網が掲載した動画を見ると、ヒョウは于さんらをにらみ、鼻の周囲にしわをよせる表情で威嚇している。しかし、ガラス戸を破ることはせず、しばらくすると別の方向に歩いていった。

通報を受けた琿春東北虎国家級自然保護区管理局の係員がやってきた。東北虎は日本ではアムールトラなどと呼ばれており、絶滅が危惧されている動物で、中国でも国家一級保護動物に指定されている。

自然保護区管理局の係員は、于さんの敷地に侵入した動物はアムールトラよりは小型のアムールヒョウ(中国語では東北豹)と判断。アムールヒョウも絶滅が危惧されており、やはり中国の国家一級保護動物に指定されている。人間側に被害があったとしても、本当に緊急時でなければ殺したりはできない。于さんの農園では、飼育していた鶏100羽のうち30羽の被害が出ており、飼い犬も首をかまれて傷ついていた。

しかし、ヒョウを追い払わねば、人に被害がでる恐れもある。管理局の係員が取り出したのは爆竹だった。中国の爆竹は通常、導火線の部分を束ねた「鞭炮(ビエンパオ)」と呼ばれる形式だ。係員は「鞭炮」に点火した。導火線に火が走り、爆竹が次々に盛大な音を上げて炸裂した。ヒョウは驚いて、于さんの農園の周囲の森林に逃げ戻って行ったという。

管理局係員によると、于さんの敷地に侵入したアムールヒョウは、母親と別れたばかりの若い個体だったと考える。まだ慣れていない狩りが上手くいかず飢えており、于さんの農園を見て好奇心も起こして侵入したと思われるという。

自然保護区管理局は近隣住民に対して改めて安全確保のための知識を教え、警告の標識を設置するなどした。(翻訳・編集/如月隼人

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