「パキスタン高官が宗教弾圧で中国を批判」の報道、中国側は否定「両国の立場は一致」

Record China    2018年9月26日(水) 9時50分

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パキスタンのカデリ宗教相が中国の姚敬駐パキスタン大使と会談し、中国の新疆ウイグル自治区における宗教政策を批判したとの報道について、中国外交部の耿爽報道官は「まったく根拠のない歪曲(わいきょく)報道」と激しく批判した。

パキスタンのカデリ宗教相が19日、最近着任した中国の姚敬駐パキスタン大使と会談し、中国の新疆ウイグル自治区における宗教政策を批判したとの報道について、中国外交部の耿爽報道官は25日の定例記者会見で、「まったく根拠のない歪曲(わいきょく)報道」と激しく批判した。

米国政府運営の国際ラジオ局であるボイス・オブ・アメリカは、中国語版サイトの美国之声でこの件を取り上げ、カデリ宗教相が新疆ウイグル自治区における中国の政策について「かえって過激派の立場を強くしてしまうだけ」と批判したと伝えた。

耿報道官は、美国之声などが発表したカデリ宗教相が中国を批判したとする報道について、「一部の外国メディアが会談について根拠のない歪曲報道をした。中国は断固として反対することを表明する」と報道を批判。「中国はパキスタン政府の宗教問題の調和のための努力を称賛する。(中国とパキスタン)双方の宗教問題についての立場は一致している」などと述べた。

中国の対ウイグル族政策については、米国やドイツ、フランスなどから人権抑圧として批判の声が上がっているが、イラン、サウジアラビア、トルコ、インドネシア、マレーシアなどイスラム国家からは公式な批判の声が上がっていない。

美国之声はこの事態を、トルコやイランは自国が国内外で問題を多く抱えているために、中国国内の問題にかかわっている余裕がないと指摘。さらに、多くの国に経済分野で中国との協力を推進したいとの思惑があると分析した。

イスラム教徒は、地域や民族を超えた強い連帯感を持っている。したがって、イスラム教信者に対する不当な扱いと感じる事件などがあれば、遠く離れた地域の出来事であっても怒りや不快感を強く感じることが普通だ。しかし、イスラム教が主導的な立場にある国でも、いわゆる「イスラム教原理主義」あるいは「過激派」に対する見方は冷淡だ。「原理主義者」の主張が、現行のイスラム教国の体制転覆に直結することと、一般のイスラム教信者にとっても、一般人の無差別殺傷を行うことは信仰の立場からも受け入れられないとみなされていることなどが理由とされる。

従って、仮にカデリ宗教相が中国の政策を批判したことが事実としても、「過激派は容認できない」点で双方は一致しており、中国側の「手法」に対する批判だったと推測できる。

しかし中国はこれまで長い時間をかけて、パキスタンと極めて親密な関係を構築してきた。その最大の理由は「インドの存在」だ。中国とインドは双方とも、現在では安定した関係を模索しているが、現実問題として国境線をめぐる対立が存在し、1962年の中印国境紛争などのように実際に戦争を起こしたこともある。現在でもしばしば軍事的緊張が高まる関係だ。

パキスタンは、インドとは敵対関係にあり、実際の戦争も複数回発生している。このため中パ両国は「インドへの対抗」という思惑で密接に結びついた。

パキスタン高官による、中国を批判する発言があったとすれば、これまでの両国関係からして極めて異例の事態だ。(翻訳・編集/如月隼人

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