サムスンは堂々と、アップルは閉鎖的…業界を跨ぐ自動車開発、各社の目論見とは―中国メディア

人民網日本語版    2018年9月16日(日) 6時30分

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コンシューマー電子機器の大手がこのほど、自動車製造をめぐり動きを活発化しており、新たな情報が次々と伝わっている。大規模な新エネ車市場を目の当たりにした大手は、自動車産業への野心を隠せなくなっている。写真はテスラ。

コンシューマー電子機器の大手がこのほど、自動車製造をめぐり動きを活発化しており、新たな情報が次々と伝わっている。大規模な新エネ車市場を目の当たりにした大手は、自動車産業への野心を隠せなくなっている。自動車産業はもはや伝統的な自動車メーカーだけの世界ではなくなった。AI(人工知能)技術により、ダイソン、百度、360などの大手も新エネ車分野に進出している。証券日報が伝えた。

アップルが秘密裏に自動車開発、サムスンはサプライヤーに

アップルの自動車開発は風も通さぬほどの機密事項だ。このほど、アップルの自動運転車に事故が生じたという情報が伝わり、社内の自動車開発プロジェクトがさらに明るみに出た。

アップルは当初「タイタン」と呼ばれる自動車開発計画を始めていた。アップルの自動運転車チームは、「タイタン」の研究における最も突出した要素だ。情報によると、アップルの5000人以上の社員が現在、自動運転車の研究を行っており、自動車用回路基板とチップの大々的な開発も行われているという。アップルはテスラから社員を50人ほど引き抜いている。アップルは今年さらにテスラの運転補助システム「Autopilot」、品質保証、動力システム、機械設計、ファームウェアなどの人材を募集している。

アップルの閉鎖的な自動車開発と違い、サムスンは堂々としている。

サムスングループの李健熙会長は1994年に「サムスン自動車」を設立したが、1998年のアジア通貨危機によりこの資産をルノーに譲渡した。

サムスンは3年前に自動車部品事業を再び立ち上げ、その後自動車事業の拡大を続けた。情報によると、サムスンは現在、自動運転技術に積極的に取り組んでいる。昨年の情報によると、サムスンは韓国で初めて自動運転テストナンバーを取得した企業になり、自動運転研究開発チームを発足させた。サムスンは自動車製造を否定しているが、スマートカー分野に展開しており、LiDAR関連技術を手掛ける新興企業の米「TetraVue」や、車載ネットワーク技術、通信、自動運転アルゴリズムなどの各社に投資している。

ファーウェイも今年初め、中国自動車大手の比亜迪BYD)と事業提携し、自動運転システム「雲軌」を共同発表した。さらに自動運転プロジェクトには、車載ネットワークチームと5Gチームが加わると発表した。

インターネット業界アナリストの王如晨(ワン・ルーチェン)氏は、「アップルとサムスンの自動車開発には各自の特色と強みがあるが、弱点も顕著だ。アップルの強みはUI、システム、車載ネットワークサービスにある。アップルの見所はインターネット、自動運転、AIスマートフロントガラスで、完成車の産業体系に弱みを持つ。サムスンは半導体、ディスプレイ、総合的なサプライチェーンに強く、近年さらに車載ネットワーク及び新エネ技術を強化した。サムスンは以前より完成車製造の経験を持ち、完成車の製造条件、テスト条件、自動運転ソリューションプラン、バッテリー技術を持つ。しかしソフト、特にICTとUIはまだ弱い」と指摘した。

業界関係者は、「現状を見る限り、アップルの自動運転車は2021年に公開される見通しだが、この産業がアップルの時価総額にどのような効果を及ぼすかについては、現時点では予測できない。アップルと異なり、サムスンは接続システムのハイテクサプライヤーになろうとしている。自動車の電子部品、自動車用バッテリー、自動運転に取り組み続けており、完成車製造の意志が強く示されていない」と判断した。

■自動車の属性に変化、電子大手が新たな駆け引きを展開

アップルとサムスンの他に、ファーウェイ、ダイソン、ブラックベリーなどの大手も自動車製造の動きを強めている。

ファーウェイは車載ネットワークを重視している。業界関係者によると、自動車のタッチパネルは携帯電話、テレビ、パソコンに続く4枚目のパネルになり、人々の移動方法とライフスタイルを変える。BMW、アウディ、ポルシェなどの自動車メーカーはこれまでファーウェイと事業提携しており、車載ネットワーク技術をめぐり長期的に協力している。

ダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏はこのほど、同社が2020年に初のEVを公開すると発表した。ブラックベリーの取締役も「スマートカーは今後、当社の主な応用シーンになる」と述べた。

産業経済評論家の丁少将(ディン・シャオジアン)氏は、「電子大手の業界を跨ぐ自動車製造には、2つの原因がある。まず自動車産業が変革の節目を迎えている。動力の新エネ化、システムのAI・スマート化が産業の大きな流れになっており、自動車産業のアップグレードが新たな巨大市場をもたらす。次に電子大手が大きな資金力、人材資源、ブランド影響力を持つ。また、新エネやAI・スマートなどの技術のハードルはこれらの企業にとって決して高いものではなく、新エネ・スマートカー産業に進出する完全な能力を持つ」と話した。

王氏は、「伝統的な自動車産業チェーンはすでに成熟しており、ハードルが下がっている。アップグレードはこれらのテクノロジー大手に機会をもたらした。また、自動車はすでに移動ツールから一つのシーンやプラットフォームに変わっており、産業と科学技術界の融合が密になっている。テクノロジー企業は参入の優位性を占める。さらに、自動車産業で集積が最も広範で最新のICT、エネルギー技術など、新分野の利益率が高めだ」と述べた。

しかし、業界関係者は、「自動車メーカー間の競争は最終的に、新エネ技術、サービス、シーンに落ち着く。ITの経験しか持たない企業は活路を見出しにくく、コンシューマー電子機器の大手は自動車産業のサプライチェーン、AI・スマート、インターネット経営などで市場を見出そうとする」と分析した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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