F22、米国が日本提供に「開発能力失わせ一挙両得」と中国メディア、韓国紙は「技術移転の差」嘆く

Record China    2018年8月31日(金) 23時10分

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米国が日本にステルス戦闘機「F22」提供を検討、との報道に中韓メディアが注目。「日本に独自開発する能力を失わせることができるため、一挙両得」「韓国への先端技術移転には消極的だったのに」などと反応している。写真はF22。

2018年8月31日、米国が日本に最強とされるステルス戦闘機「F22」提供を検討、との報道に中国と韓国のメディアが注目している。中国メディアは「日本に独自開発する能力を失わせることができるため、一挙両得」と指摘。韓国紙は「韓国への先端技術移転には消極的だったのに」と日本との格差を嘆いている。

F22は米ロッキード・マーチン社が開発した第5世代ジェット戦闘機に分類される世界初のステルス戦闘機。ステルス性に加え、アフターバーナーを使用しないで超音波巡航ができ、短距離離着陸も可能という。2006年の模擬空中戦で、1機の損失も出さずにF15、F16、FA18戦闘機計144機を「仮想撃墜」するという記録を打ち立てた最強の戦闘機とされる。米韓合同軍事演習にも、しばしば飛来。北朝鮮は神経をとがらせていた。

航空自衛隊はF15の後継機としてF22を導入候補に挙げており、米国も日本やイスラエルなど同盟国への輸出を検討していた。しかし、ステルス技術や電子機器類といった高度技術流出の懸念が強まり、輸出禁止措置が打ち出されたことなどから、日本側も導入を断念。次期主力戦闘機はF35に決まった経緯がある。

F22をめぐり、日本メディアはこのほど、「ロッキード・マーチン社がF22を主体とする新型戦闘機の開発・製造において、日本の分担比率を50%以上とする案を提示した」と報道。日本も「空自の主力機F2の後続戦闘機として、F22改良型戦闘機を導入する案を積極的に推進している」と伝えた。

これについて、中国網は「米国のアジアで最も親密な同盟国である日本は、米国がF22の提供を拒否していることを常に気にかけている。ところが10年後、日本の次期戦闘機調達の大きな誘惑を受け、米国がついに口をゆるめた」と論評。「日本に次世代F22を提供することで、その投資収益を最大化でき、日本の次世代戦闘機の命綱を握ることができる。さらには日本に国産戦闘機を独自開発する能力を失わせることができるため、一挙両得だ」と解説している。

一方、韓国・中央日報は米国の対日アプローチについて、韓国がF35を導入した際、米国が位相配列(AESA)レーダーシステムなど四つの核心技術の移転を拒否したことを振り返り、「韓国への先端技術移転に消極的であったことと対照的だ」と言及。「米国のばく大な対日貿易赤字を改善すると同時に、日本の防衛産業が拡大するという効果もある。このような『一石三鳥』の効果をもたらすという点で、今回の提案は積極的に検討される可能性が大きい」と予想している。(編集/日向)

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