韓国の半導体、過去最高の実績を記録も「笑えない」理由=韓国ネットからも不安の声「同じようにして日本は滅びた」

Record China    2018年7月31日(火) 8時20分

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30日、韓国の半導体が過去最高の実績を記録した。しかし韓国・国民日報は、「未来に対するさまざまな見通しが浮上しているため、笑ってばかりいられない状況だ」と指摘している。写真はソウル。

2018年7月30日、韓国の半導体が過去最高の実績を記録した。しかし韓国・国民日報は、「未来に対するさまざまな見通しが浮上しているため、笑ってばかりいられない状況だ」と指摘している。

韓国の半導体大手SKハイニックスは、今年第2四半期(4~6月)の営業利益が5兆ウォン(約5000億円)を突破し、過去最大の実績を達成した。サムスン電子も半導体での善戦により、今年第2四半期は14兆8000億ウォン(約1兆4800億円)の営業利益を記録した。モバイルや自律走行車、人工知能(AI)などの普及に伴い、半導体の需要は今後さらに拡大するとみられている。

ところが記事によると、韓国の半導体業界の今後の見通しには期待と不安が入り混じっている。その理由は「中国が猛追を見せている」ため。中国は2015年に「中国製造2025」計画を発表し、主要部品や素材の自給率を2020年に40%、2025年に70%まで引き上げるという目標を掲げた。

同計画発表から現在まで、中国の半導体メーカーが韓国に追いついたことを示す目に見える結果は出ていないという。ただ、業界関係者は「中国メーカーがいつ追撃してくるか分からないという危機感がある」と話している。

また記事は「LCDディスプレー1位の座を中国BOEに明け渡したことが危機感を増幅させている」と指摘。ディスプレー産業は大規模な投資と技術力が必要であるため、韓国では「簡単には追いつかれない」と予想する声が多かったという。しかし中国のメーカーは他国から人材と技術を取り込み、政府から財政支援を受けて成長し、結局は韓国を追い抜いた。

半導体の分野でも同様の動きがあるという。中国の半導体大手、清華紫光集団は最近、フランスの部品メーカーLinxensを買収すると発表した。清華大傘下の産学協力企業である清華紫光集団は、過去にも数回にわたり買収や合併を試みた。記事は「買収の意思は確実で、資金も十分」とし、「中国政府は2026年までに半導体に200兆ウォン(約20兆円)を投資する計画だ」と伝えている。

一方で記事は「モバイル時代に入ったことで半導体市場の“強者独占”構造がより顕著になっている点は韓国に有利」と主張している。記事は「プレミアム製品に需要が集中するため、技術力で劣る中国メーカーが価格競争力で勝負しても、市場に影響を与えることは難しい」とし、「中国が2025年までに自給率を70%まで上げようとしても、中国メーカーが作れないプレミアム製品を韓国メーカーが生産し続ければ、中国も韓国製品を使わざるを得ない」と説明している。実際に、SKハイニックスとサムスン電子はプレミアム製品の生産に積極的な投資を続けている。韓国の半導体メーカーらは「技術力の差を広げる以外に生き残る方法はない」と口をそろえているという。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「半導体が駄目になったら、韓国も終わる」「韓国政府も中国政府のように、積極的に企業を支援するべき」「経済が滅びていっているのに、文大統領は今日も北朝鮮のことで頭がいっぱい」など不安の声が寄せられている。

また、「同じようにして日本は滅びたのでは?企業はR&Dや理系人材の養成に積極的に投資するべき」と主張する声や、「技術力の差を広げることも重要だけど、技術の流出を防ぐことも重要。最近は産業スパイが多いような気がする」「技術流出を厳しく罰してほしい。国民の命がかかった問題だから」と懸念する声も。

そのほか、「なんだかんだ言ってもやっぱり、韓国を支えているのはサムスン」「韓国にはサムスンしか信じられるものがない」「いっそのこと、国の運営をサムスンに任せてほしい」とサムスンを評価する声も多く見られた。(翻訳・編集/堂本

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