テスラが上海に「スーパー工場」建設へ、中国メディア「トランプ沈黙」「インド嫉妬」と勝ち誇る

Record China    2018年7月12日(木) 16時10分

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中国メディアの参考消息は11日、「中国でこの大ニュースが爆出した後、トランプは『沈黙』した、インドは『嫉妬』した!」と題する記事を掲載した。記事は、米電気自動車メーカーが上海での「スーパー工場」建設を決めたことを取り上げた。

中国メディアの参考消息は11日、「中国でこの大ニュースが爆出した後、トランプは『沈黙』した、インドは『嫉妬』した!」と題する記事を掲載した。記事は、米電気自動車メーカー、テスライーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が10日に上海を訪れ、市政府側と「スーパー工場」の建設で合意したことが、トランプ米政権にとって大きな衝撃になったとの見方を示した。

テスラは上海臨港地区に、研究開発・製造・販売の機能を集約した「スーパー工場」を建設する。2020年前後の完工予定で、年産量は50万台。同工場はてテスラにとって初めての海外における大規模施設であると同時に、上海市にとっても過去最高の外資製造業の進出だ。

中国では早い時期から、フォルクスワーゲン(VW)やゼネラルモーターズ(GM)、さらにホンダトヨタ日産など世界の主力自動車メーカーが進出している。ただし従来は中国側の規制により、外資側の出資比率は抑えられていた。しかし最近になり中国が規制緩和した関係もあり、テスラは100%出資の現地法人を設立することになった。この点でもテスラの中国進出は画期的だ。

トランプ米政権は、自国産業の保護、特に製造業の保護を強く打ち出している。参考消息は、米政策に対抗する欧州連合(EU)の報復関税を避けるため、ハーレー・ダビッドソンが6月に、一部生産を米国外に移転することを決めたことに触れ、米国から製造業の「逃亡」が相次いでいると評した。

記事は、トランプ米大統領は、ハーレー・ダビッドソンが海外移転を決めた直後にはツイッターを通じて非難と威嚇を繰り返した一方で、テスラの中国進出については長時間にわたり沈黙と指摘。さらに、米国のメディアはトランプ政権の政策とその影響を考慮した必然の選択と報じていると論じた。

記事は続けて、インドでは「なぜわが国でなく中国なのだ」などとする落胆の声が広がっていると紹介。インドでは、関係業者からも一般からもテスラ進出への期待が強まっていたと指摘した。ただし、テスラのマスクCEOは約1カ月前に、ツイッターに「インドに行きたい。ただ、いくつかの政府の規制が厳しい」などと書き込み、インド進出の見送りを示唆していたという。

テスラがインドではなく中国を選んだことについて、上海市世界経済学会の張幼文会長は「テスラはインド(進出)に熱意があった。しかしインドでなく中国を選んだ。なぜなら、中国の製造能力と購買能力はインドをはるかに引き離している。中国の産業政策もテスラの発展にとって有利だ」と述べ、諸条件を考えればテスラの中国進出は同社にとって妥当な選択だったとの見方を示したという。

中国では、国内問題について自国当局に批判的な意見が出されることが珍しくないが、国際的に自国と外国が対立した場合、自国政府を支持する声が圧倒的に強くなる。政府の姿勢を「手ぬるい」と主張する意見も出るほどだ。メディアも、外国との問題について「対決色」を鮮明にすることが一般的だ。

また、記事がインドにおける反応を取り上げたことには、中国人の間にインドに対する根強い反発や警戒心が存在することが背景にあると考えてよい。同記事の文面は、トランプ政権やインドに対して「勝ち誇る」ような雰囲気が濃厚だ。

ただ、最近の「米中貿易戦争」の関連記事を見る限り、メディアは「反米色」を強めてはおらず「反トランプ政策」の立場にとどまっている。中国政府も「貿易戦争を望んではいない」との発言を繰り返していることからも、中国世論の大勢は、トランプ政権に軌道修正させ、中国が平穏に利益を上げられる構図を確立することにあると理解できる。(翻訳・編集/如月隼人

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