単なる清掃?日本サッカーを励ます「最後のロッカールーム」文化―中国メディア

人民網日本語版    2018年7月6日(金) 17時50分

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日本代表は惜しくもベスト8進出を逃したが、相手チームを含む多くの国から称賛を受けた。

日本代表は惜しくもベスト8進出を逃したが、相手チームを含む多くの国から称賛を受けた。アジア勢で唯一、ベスト16に進出した日本代表は、対ベルギー戦で素晴らしいパフォーマンスを見せた。人民網が伝えた。

試合後、日本代表のメンバーたちは気持ちを切り替えてサポーターに感謝の気持ちを伝えただけでなく、ロッカールームを後にする前にきちんと清掃し、ロシア語で「ありがとう」と書いたメモを残していった。また、日本代表のサポーターは日本の敗戦後も悔し涙を流しながら、会場のごみ拾いをし、多くの国から称賛を得た。

日本代表のメンバーたちが試合で見せた高レベルのプレーや素晴らしい成績に比べると、彼らが試合後に自分たちのロッカールームを清掃したことやサポーターが試合後に自分たちが座っていた観客席エリアでごみ拾いしたこと自体はどれもそれほど難しいことではない。しかし、日本代表が敗戦した後も、メンバーやサポーターがごみ拾いをしたことは日本代表とサポーターのピッチ外における好印象につながった。そしてどんなときもごみ拾いをするという良い習慣を続けたことで、日本サッカーに対する優れたイメージを形作ることにもつながった。

自分たちでロッカールームの掃除をしたり、会場のごみ拾いをしたりすることは決して難しいことではない。難しいのは、こうした良い習慣をずっと続けていくことだ。世界には数多くのサッカーチームがあり、数えきれないほどのサポーターがいるものの、ごみ拾いを一つの習慣としてできるチームやサポーターはおそらく少ないだろう。そして自発的にごみ拾いをすること自体は一見すると些細なことのようにみえるが、プロサッカーチームとしての素養とサポーターとしての素養の高さの裏返しでもあるのだ。結局のところ、サッカーチームのメンバーたちがロッカールームを掃除したり、サポーターが会場のごみ拾いをしたりするのは、誰かに見せるためでも、素晴らしい心がけを生み出そうとするためでもなく、自分たちのプロとしての素養とサポーターとしての素養の高さからきているにすぎない。

実際、「日本代表のサポーターが涙を流しながらもごみ拾いをする」ことよりも、「日本代表のメンバーたちが最後にロッカールームの清掃を行う」文化に対し、より注目すべきだ。

微信(WeChat)の公式アカウント「補壹刀」はこのほど、「日本代表チームが書き残したシンプルなメッセージから、開催国であるロシアに対する労いと感謝の気持ちが表れているのと同時に、敗戦を毅然と受け止めている態度が伝わってくる。前者が日本人の繊細さや思慮深さを表しているとするなら、後者は日本のサッカー文化が日本代表に与えた影響を表している。日本のサッカー文化を語るなら、なによりもまず何世代にもわたってサッカー選手を励ましていたドキュメンタリー『最後のロッカールーム』を語らずにはおけないだろう」という陳小刀さんの文章を発表した。

日本の学校におけるサッカー人口は膨大な数に上っており、日本サッカー協会に登録しているU18、U15、U12のサッカー人口の総数は74万人以上となっており、そのうちの90%以上が学校のサッカー部に所属しているだけでなく、ユースのうちからさまざまな試合や大会があり、こうした草の根の選手たちがサッカー選手育成のための堂々たるピラミッドを支えている。ドキュメンタリー「最後のロッカールーム」は、日本で毎年8月に行われる全国高校サッカー選手権大会での日々を主に記録した作品。同大会で繰り広げられた激しい試合の様子だけでなく、敗北した後にロッカールームで涙にくれる若い選手たちの様子や監督が励ます様子を特に記録している。監督が選手にかける言葉はシンプルそのものだが、人生哲学に満ちており、日本の多くの若いサッカー選手がこうした経験を通して確かに成長し、鍛えられていることが見てとれる。

日本はもともとサッカー強国ではなかったが、今大会ではアジア勢唯一のベスト16進出を決めた国となった。日本代表のメンバーたちが急激に力をつけた原因は、「最後のロッカールーム」によるものとはいえないが、しかしこのドキュメンタリーは若者たちが挫折や失敗に直面したときに、どのような態度や勇気を持つべきかを教えている。現在の日本代表の選手たちの多くが全国高校サッカー選手権大会を経験し、同じようにさまざまな挫折を味わった。今大会のW杯で日本代表が敗北した後に見せた毅然とした態度こそが、日本のサッカー文化が継承している精神を物語っているのかもしれない。(提供/人民網日本語版・編集/YK)

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