日本はトランプ大統領の政策に憂慮、世界貿易紛争に高い関心を寄せつつ慎重な態度―中国メディア

人民網日本語版    2018年6月28日(木) 20時50分

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米トランプ政権の保護貿易主義の政策が、最近は調整されないばかりか、さらに激しさを増してグローバル貿易紛争を引き起こしそうな勢いだ。日本は深く憂慮している。資料写真。

トランプ政権の保護貿易主義の政策が、最近は調整されないばかりか、さらに激しさを増してグローバル貿易紛争を引き起こしそうな勢いだ。日本は深く憂慮している。対米貿易において、日本と中国には同質化をめぐりさまざまな課題がある。日本にしてみれば、トランプ大統領が貿易問題で中国の十八番を奪ったなら、その後で日本に対処する時には、まるで稲刈りをするようにやすやすと事は運ぶと予想される。そこで日本は中国が米国の十八番を奪うべく取る対抗措置にかねてより非常に注目してきた。中国青年報が伝えた。

日本経済新聞は6月24日付記事で、「米トランプ政権の『自動車関税引き上げ』に日本政府とメーカーが苦慮している。……(日本)政府は有効な交渉カードを見いだせないでいる」と伝えた。もちろん日本も米国への輸出自動車の価格を引き上げたり、中国と東南アジア市場の開拓に舵を切ったりする選択肢はある。

日本経済団体連合会(経団連)の中西宏明会長は25日に行われた記者会見で、「(トランプ政権の関税政策とそれが引き起こした米国と各国との貿易摩擦が)世界経済の大規模な衰退を招くとは思わないが、道理で説明することは非常に難しく、強い懸念を抱かせる。(トランプ大統領の関税政策では)ディールの成立を目指すためのさまざまなゲームの技巧が打ち出されており、経団連は日本政府と緊密に協力して、米国の動きに対応する」と述べた。

だが安倍晋三には別の見方があり、25日の参議院での答弁では、「中国や欧州のように対抗関税の措置を取るのは、日本の目指すところではない。最も重要なことは(トランプ大統領の高関税政策が)日本製品を対象にしないようにすることだ。対抗関税は常に選択肢ではあるが、最も効果の得られる戦略をとりたいと考えている」などと述べた。

日本放送協会(NHK)が25日の朝の番組で伝えたところによると、第5回中国-南アジア博覧会がこのほど雲南省昆明市で開催され、多くの国や地域からたくさんの企業が出展した。そのうちの1社は、「徹底的に対抗する決意でトランプ政権の発動した『貿易戦争』に立ち向かう」と述べた。NHKは、「米国の保護貿易主義の政策が強い圧力をかける中、中国は『一帯一路』(the Belt and Road)構想によって国際市場で代替の可能性を積極的に発掘しようとしており、今後の南アジア市場における開拓の成果と影響力の拡大には注目すべきだ」との見方を示した。

読売新聞は26日の報道で、「中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の第3回年次総会が25日、インド最大都市ムンバイで開幕した。2日間にわたって、インフラ(社会資本)整備促進などをテーマに議論を交わす。……金立群AIIB総裁が『われわれは開発銀行として民間の投資を促し、さまざまな障害を取り除く責務を担っている』と述べた」と伝え、ここには発展途上国のインフラ建設の発展に力を注ごうとする金総裁の考えが反映されているとした。AIIBは24日、インドのインフラ建設に1億ドル(約110億円)を投資することを決定。これで同行が承認した投資プロジェクトは26件、投資額は約45億ドル(約4941億円)に達した。NHKの同日の報道によると、今年の年次総会には加盟国・地域86カ所の代表約3000人が参加したという。日本と米国はまだ加盟していない。

また、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉会合が6月25日に東京で開幕した。貨物貿易、投資、知的財産権、ECなど18分野のテーマについて話し合い、合意できていない分野では今後の話し合いの方向性を確立することを目指した。菅義偉内閣官房長官は同日の記者会見で、「(事務レベルの交渉会合で)意味ある進展があることを期待したい」と述べた。

最近のアジアや日本に関する一連の経済のテーマについて、清華大学シンクタンク日本代表処の後藤錦隆首席代表はこのほど取材に答え、一連の見方を示した。

後藤氏は、「日本企業は今もまだ米ドルを主要国際貿易決済ツールとして使用しており、1ドルを国際送金するごとに2%の手数料がかかる。これはつまり、国際貿易の規模が大きくなればなるほど、米ドル決済を行う金融機関の手数料収入が多くなり、企業が背負う米ドルの為替リスクが大きくなるということだ。東アジア地域が高水準の二国間・多国間自由貿易協定(FTA)や金融の枠組に到達したなら、各国企業の国際金融システムにおける負担を大幅に軽減し、国際貿易の効率を高め、国際経済の品質を最適化することが可能だ」と話す。

後藤氏からみると、「TPP(環太平洋経済連携協定)はRCEPやFTA(日中韓自由貿易協定)のように大きな可能性があるわけではなく、日本と米国を除くメンバーの経済のウェイトは考えに入れなくてもよいほどの規模で、RCEPやFTAの方が公平性、汎用性、漸進性が高く、市場全体の潜在力は大きく、経済の相互補完による効果も高いといえる。RCEPは米ドルの地位という核心的問題について話し合うことは難しい、米国は米ドルの絶対的で主導的な地位が一部の地域で挑戦を受けたり、奪われたりしたと考えた場合には、少しのためらいもなく極めて強烈かつ粗暴な干渉と撹乱によって圧力をかけるやり方を取り、取る可能性のある手段の中には戦争さえ含まれる。日米関係の特殊性を鑑みると、日本は日中韓FTA問題で極めて慎重な立場を取らなければならず、RCEPに対する態度は国際情勢に応じて調整したり進展を後押ししたりしなければならない」という。

後藤氏は、「貿易体制を含む国際秩序が絶えず調整を深めることを背景として、日中双方は当面の二国間関係が改善を続ける有利なチャンスをしっかりとつかまえ、新しい時代にふさわしい協調関係を積極的に模索し、政治面での戦略的相互信頼関係を強化し、経済戦略の互恵を拡大しなければならない」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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