音速上回る時速1500キロの「超高速鉄道」開発へ、高温超伝導リニアと真空チューブ組み合わせ―中国メディア

Record China    2018年7月1日(日) 6時30分

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中国が「超高速鉄道」を開発へと中国メディアが伝えている。高温超伝導リニアと真空チューブを組み合わせたシステムで、最高速度は音速を上回る時速1500キロの実現を目指す、としている。資料写真。

2018年6月29日、中国が「超高速鉄道」を開発へと中国メディアが伝えている。高温超伝導リニアと真空チューブを組み合わせたシステムで、最高速度は音速を上回る時速1500キロ。試験ラインの建設が進められており、早ければ21年4月にも試験速度1500キロの実現を目指す、としている。

真空チューブ式列車は、電気自動車(EV)の米テスラ・モーターズを創業したイーロン・マスク氏が提唱した。理論的には、外気から遮断して真空状態にしたチューブの内部では摩擦力や空気抵抗がゼロとなり、わずかなエネルギーで列車などの物体が高速で移動できるようになる。宇宙空間のイメージだ。

中国網によると、19日に開かれた2018年世界交通運輸大会「高速鉄道技術発展フォーラム」で、西南交通大学首席教授の張衛華氏は科技日報の記者に「中国版超高速鉄道は『高温超伝導リニア+真空チューブ』技術を採用する。すでに時速1500キロのフィジビリティスタディーに着手している」と話した。

西南交通大学が担当する「マルチモード接続レール交通動的模型試験プラットフォーム」は、各種低気圧環境を想定できる全長1500メートルの真空チューブ内で、異なる磁気浮上モードやスケールの列車の運行試験を実施できる。高温超伝導リニアモードを含め、試験速度は超音速に達し、計算上は時速1500キロになるという。

張氏は「抵抗、パンタグラフ、騒音などの制限により、車輪レール交通技術の時速の限界は時速600キロとなっている」と指摘。「高速リニアレール交通が今後、レール交通技術の発展の主な方向になる」「磁気浮上+真空チューブがつくり出す低抵抗運行環境が、未来の高速鉄道の速度を効果的に上げることが実験室内で実証済み」などと強調している。

真空チューブ高温超伝導リニア模型車試験ラインは成都市で建設中。この新しい試験ラインは直径4.2メートル、長さ140メートルの特性チューブで、実験車両の底部は特製の高温超伝導材料を用い、液体窒素がつくる低温を利用し超伝導・リニアの効果を発揮する。浮上高度は10ミリ、荷重は200キロという。張氏は「プラットフォームは今年9月に国から承認されると思う。工期は約31カ月」と説明している。

日本が27年に開業を目指して建設中の中央リニア新幹線の最高速度は、時速500キロ。品川―名古屋間を最速40分で結ぶ計画だ。「超高速鉄道」がなら所要時間は一気に十数分に短縮されるが、開発はほんの緒に就いたばかり。安全面などの問題も多く、夢の実用化までにはまだまだハードルが高そうだ。(編集/日向)

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