新中国大使に「中国通」の起用を検討も、専門家「中国への好意ではない」―中国紙

Record China    2020年7月16日(木) 14時0分

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16日、中国紙・環球時報は、日本メディアの報道によると日本政府は新たな中国大使に垂秀夫官房長の起用を検討していると伝えた。写真は北京の日本大使館。

2020年7月16日、中国紙・環球時報は、日本メディアの報道によると日本政府は新たな中国大使に垂(たるみ)秀夫官房長の起用を検討していると伝えた。垂氏は「中国通」として知られているという。

記事は、垂氏は現在59歳で1985年に外務省へ入省した後、外務省の「チャイナスクール」で中国語と対中外交について学んだと紹介。86年には外交官補として南京大学に留学し、3年後に在中国大使館二等書記官となり、その後、在中国大使館一等書記官や公使、在香港総領事館領事などを務めた経験があると伝えた。

昨年、垂氏と面会したことがあるという中国人民大学重陽金融研究院の関照宇(グワン・ジャオユー)氏は、「垂氏は京都大学の法学部を卒業しており、有名な現実主義者である高坂正堯氏に学んだ。彼は外交経験が豊富で国際問題の優秀な専門家という印象だ」と述べている。

記事は、13日に米国ポンペオ国務長官が南シナ海問題について中国を批判したことについて、14日に菅義偉官房長官と茂木敏充外相が支持を表明したと指摘。日本による南シナ海や香港問題に関する一連の発言は、外部から日中関係の先行きについて懸念する声が出ていたと伝えた。

その上で、「こうした背景の中での垂氏が新たな中国大使として起用されることは、日本世論の注目を集めている」と紹介。「日本メディアは、中国大使に垂氏が起用されれば、今の中国大使に続いて連続して『知中派』を起用することになるが、これは日本政府が中国との間に存在する矛盾や相違を改善し、日中関係を改善したいとの意思表示だと分析している」と伝えた。一方で、「垂氏はチャイナスクール出身者の中でも数少ない対中強硬派の外交官であり、安倍政権によるこの人事は驚きだとの声もある」とした。

この点について関氏は、「安倍政権は連続して中国通を中国大使に起用するとはいえ、これは中国に対して好意を示したものではない」との見方を示した。その理由として関氏は、「安倍首相は、自身の著作である『美しい国へ』の中で、中国通に対する不満を示している。安倍首相が重視したのは『現実主義』との評価だろう。従って、この先の日本の対中戦略の方向性は注目に値する」と述べている。(翻訳・編集/山中)

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