中国人の「赤い旅」を呼び込め!マルクス生誕200周年、欧州各地で来客当て込む

Record China    2018年5月2日(水) 6時40分

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資本論などの著作で後世に大きな影響を与えたカール・マルクスがドイツ・トリーアで生まれたのは1818年5月5日だった。中国中央テレビは、欧州のマルクスゆかりの地で、観光客を当て込んだ準備がされていると紹介した。資料写真。

資本論などの著作で後世に大きな影響を与えたカール・マルクスが生まれたのは1818年5月5日だった。中国中央電視台(中国中央テレビ)は4月30日、生地のドイツ・トリーアなどゆかりの地で、観光客を当て込んだ準備がされていると紹介した。中国で盛んな「革命聖地」を訪れる「赤い旅」の欧州への拡大版が注目を集めている。

中国中央電視台によると、トリーアではマルクス・シャツ、マルクス・チョコレートなどの記念商品が人気を呼んでいる。マルクスの肖像を印刷した「0ユーロ紙幣」という冗談商品も売り出されている。横断歩道に設置された歩行者用の信号にも、「髭を生やしたマルクス」のデザインが使われている。

さらに、中国美術館の館長を務める彫刻家の呉為山氏はマルクス生地のトリーアからの依頼に応じ、マルクスの立像を制作。5月5日に公開されるという。

中国中央電視台はマルクスゆかりの地としてその他、「共産党宣言」と「資本論」の手稿を保管しているオランダ・アムステルダムの国際社会歴史研究所資料館、マルクスが住んだ英国ロンドン・ディーン通りのアパート、英国時代のマルクスが毎日のように通って研究に没頭した大英博物館図書館、ロンドン市のハイゲートにあるマルクスの墓を紹介した。

中国では、共産党の革命の足跡を残す「赤い聖地」への旅行が盛んだ。「聖地」側も観光収入を狙って、さまざまな受け入れ対策をしている。欧州におけるカール・マルクスゆかりの地を訪れる中国人客も、今後はさらに増える可能性がある。

マルクスは当時の欧州社会の詳細な分析を通して、資本主義社会の特徴をブルジョワジー(資本家階級)とプロレタリアート(労働者階級)の対立にあると断じ、ブルジョワ的所有を廃止するためのプロレタリアートの権力奪取を共産主義者の当面の目標とした。

中国共産党はマルクスの思想を信奉しており、農民や労働者などが権力を握るとする「中華人民共和国」を成立させた。しかし、すべての人が平等な共産主義社会に到達する前段階としての社会主義社会の建設はうまくいかず、資本主義のやり方を導入することで経済を発展させることになった。現在は、資本主義の導入のおかげで豊かになった中国人が、資本主義の克服を説いたマルクスゆかりの地を訪れるようになった。(翻訳・編集/如月隼人

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